10月も下旬になり楽しみにしていた紅葉もそろそろ終わりを迎えようとしている。
最後の輝きを眺め見納めにしようと支笏湖のイチャンコッペ山を訪れた。
支笏湖街道や湖畔の紅葉はまだ見頃だが、色が褪せはじめ葉を散らしている木も目立ち晩秋の気配が漂い始めている。
逆光に輝く
登山口の駐車場にはすでに4台の車が、ゆっくり準備を整え歩き出す。
取り付き尾根は急でほぼ北に伸びている、尾根の東側は朝の光をまともに受け、目映い光とシルエットの演出で紅葉がとても美しく目に映る。
逆光を受け、輝く紅葉
その代わり、尾根の西側は順光で色あせた葉が目立ち実際よりくすんで見えている。
息が切れない超スローペースで木々が放つ最後の輝きを堪能しながら登っていく。
光の演出で紅葉も実際より美しく輝いて見える
木々の間から垣間見える支笏湖畔の紅葉も美しい。
例年より赤が少ない印象もするが、こんなものだったかも知れない 。
支笏湖畔の紅葉を眺めつつ
標高500mから上は、紅葉した葉は散り閑散とした風情に変わっていく。
紅葉の名残りである厚く積もった落ち葉を踏みしめるサクサクとした音が気持ち良い。
晩秋の山
取り付きの急登尾根も標高600m弱で斜度が緩み、道は幌平山の山腹をトラバースしてイチャンコッペ山へと取り付いていく。
今年も笹が綺麗に刈られていて有り難い。
かつて何度かこの道の笹狩りをしたことを思い出しつつ、歩き易い道を感謝しながら歩かせていただいた。
やがてC785mの七合目ピークへの上りとなる、追い付いて来た女性二人組に道を譲り相変わらずの超スローペースで歩を進める。
葉がすっかり落ちた樹林帯を抜けると、一面の笹原に抜けるような青空が映えている。
ピーク直下にはダケカンバが一本、スックと立っているのが印象的。
登る真後ろには恵庭岳が鎮座している筈、見たい気持ちを抑え七合目ピークへ一直線だ。
7合目ピーク直下のダケカンバ
7合目ピークに到着、ザックを下ろして休憩だ。
恵庭岳 遠くに徳舜瞥山とホロホロ山、手前は幌平山
ここから見る恵庭岳は何時見ても凛々しく力強くて美しい。
でも山頂岩峰が気持ち小さく丸くなってしまったような気がするのは私だけだろうか?
恵庭岳の象徴である山頂岩峰、今以上崩れないでほしいと願わざるを得ない。
記念に一枚
ドライフルーツを口にしながら、樽前山から恵庭岳・空沼岳・札幌岳に至る山並みを眺める。
どの山も麓に紅葉の名残をとどめているものの、落ち着いた晩秋の山景色。
静かに初雪が訪れるのを待っているかのようだ。
恵庭岳と漁岳
山頂でマッタリ
7合目ピークから山頂までは緩やかなアップダウンの散策路、日陰部分には凍っている所もあり初冬の気配だ。
隣の紋別岳がまさに指呼の間、目を凝らせば人の姿も見えそうな感じである。
紋別岳
イチャンコッペ山の最高地点は山頂標識が設置されている場所から少し北側にあるのだが、見晴らしが良くないためか道は付けられていなかった。
今回見ると、笹刈りの方達が付けたのだろう細い刈り分け道が付けられている。
見るべきものは何もないが、粋なことをしてくれたものだ。
山頂にて
まだ時間は早いけれど、お腹も空いたとパンとチーズ、りんごなどを食べながら、おしゃべりを楽しむ。
支笏湖の湖面が輝き、風不死岳や樽前山がシルエットになって良い感じである。
輝く支笏湖とシルエットの風不死岳と樽前山
下山尾根の紅葉
下山は恵庭岳の勇姿を終始眺めながら往路を引き返す。
何の心配もいらないが、笹で足を滑らせないよう注意しながらの下りである。紅葉の楽しめる所まで下山尾根を下ってきた、登りの時とは逆の尾根西側から太陽の光線を浴びるようになり、登りの時には冴えなかった紅葉が光り輝いて見える。とても綺麗で光のマジックを見ているような気分である。
最後の輝きを見せる紅葉
輝く紅葉に見とれ足を滑らせ、急斜面で大転倒。
景色を見る時は立ち止まってという、大教訓を再認識し噛み締めた失敗だった。
光の演出で冴えない紅葉も様変わり
話は変わるが、イチャンコッペ山を訪れた1週間前、私達は壮瞥にこの時期恒例のリンゴの買い出しに訪れた。
その時に見た三階滝と洞爺湖での紅葉もこの機会にご紹介しよう。
三階滝・トーテムポールの丘
昨年訪れて美しさに感動した大滝町・三階滝の紅葉。
今年も美しい紅葉を見せていた。
トーテムポールの丘の紅葉
三階滝付近の紅葉
三階滝の紅葉
洞爺湖
洞爺湖
洞爺湖北岸にある財田地区、そこの湖岸遊歩道をのんびり散策。
あまり派手ではないけれど、落ち着いた紅葉がかえって秋らしい雰囲気を醸し出している。
洞爺湖・財田の紅葉
洞爺湖・財田の紅葉