チロロ岳 (1880m) (日高)   2005.8.5(金) 曇り・ガス

千呂露川三俣右沢からのチロロ岳はこちらから


8.5(金)
曲り沢出合 0700
取水ダム 0715
下二股 0810
上二股 0830
尾根乗越し 0915
西峰コル 1025
チロロ岳山頂 1055
1125
西峰コル 1150
チロロ西峰 1220
1245
尾根乗越し 1410
上二股 1540
曲り沢出合 1610
チロロ岳は北日高の伏美岳、ピパイロ、1967峰、北戸蔦別岳と東西に延びる大きな稜線の一つ北側の稜線上に位置している双耳峰です。

1900m近い標高を持ち、北日高の展望台としてまた、西峰はカンラン岩地帯で珍しい花々を始めとする御花畑で名を馳せています。

今年、北海道は8.1(月)から8.3(水)まで大雨に見舞われ道南地方を中心にがけ崩れや浸水被害などが出たほどでした。
8.5(金)は全道的にピカピカマーク、晴れの予報。
大雨による増水が少し不安でしたが、北日高の大展望を見てみたいとチロロ岳を訪れました。

日高町にある日高北部森林管理所(01457-6-3151)で入山届を出し、林道の鍵を借り受けます。
国道274号線からパンケヌーシ林道へ入り、約10.5kmで曲り沢、看板標識が出ているので直ぐに分かります。
10台位駐車出来る地積があります。
トイレはありませんので、事前に日高の道の駅などを利用すると良いでしょう。

ここでしっかり沢歩きの準備を整え、出発です。
ガイドブックなどによると、チロロ岳は山靴で登れると書かれていますが、秋などの渇水時期を除いて沢歩きと思って準備された方が良いと思います。

曲り沢の北電ゲートから約500m行くと、取水ダム。
ここから曲り沢の左岸沿いに進んで行きます。


歩き出して間も無くの曲り沢

大雨の影響はまだ続いているようで、かなりの水量です。
始めの内は徒渉するにも飛び石沿いに渡っていましたが、その内それも出来なくなり膝下ぐらいまでジャブジャブ入って渡って行きます。
水の流れも速く、膝ぐらいまで入ると押し流されそうな強さです。


小さな滝なども出てくる

お天気は予報に反して曇り空、近くの山は雲に覆われています。
朝の内だけで次第に晴れるだろうと予報を信じ、沢を遡って行きます。

下二股を右にとり、進んで行くと雲の中に入ってしまいました。
視界は30〜50mほど、樹林の中の沢は薄暗く余り気持の良いものではありません。
轟々と響く沢音の中、無駄とは思いつつ、気休めに笛を吹き鳴らします。


水量は多く、岩は濡れ、歩くのにも神経を使う

今回、上二股からは一般的な曲り沢から二の沢と言うルートでは無く、チロロ岳に直登する左股を登ろうと計画してきたのですが、地図だけで地形や景色が全く見えず利用出来ないのでは不安です。
上二股でどうしようか悩んだ上、不安を持ったまま登るのは止めようと、一般ルートを歩く事に変更しました。


試しに中を登ったら、ビショビショになってしまった。

曲り沢の源頭から少し登ると1482Pから延びる尾根を乗越えて、二の沢へ降りて行きます。
二の沢は通常ですと水は少ないそうですが、この日はかなりの水量が上部まで流れ落ちていました。
顕著な二股を右にとり、源頭部を詰めて行くと御花畑の様相になってきました。


霧に浮かぶ御花畑

シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、カラマツソウなどが咲き乱れていました。
道が平坦になって、直ぐに広場のような礫地に着きました。西峰のコルです。
イワブクロやイワツメクサが霧に濡れて咲いています。


イワツメクサ

チロロ岳山頂を目指します。
稜線上の道にはエゾツツジ、リンネソウなどが強い風に打たれて揺れています。


リンネソウ

霧の中から次々に山頂らしき山影が出て来ますが、いずれも違って30分ほど歩いて本物の山頂です。
相変らずの雲の中で、残念ですが何も見えません。


チロロ岳山頂

チロロ岳からのピパイロ、1967峰、戸蔦別岳、幌尻岳などの雄姿を楽しみに来ただけに残念無念です。
気温18℃、強風で涼しく感じられ、虫も居ないのが救いです。

本来登ってくる予定だった、北側の斜面は緩やかなハイマツで覆われていて特徴も無く、こんな霧の日では迷いがちになったのではと自分の判断に自己満足しました。

しばらく待ってみましたが、天候回復の気配は無く、西峰へ廻ってみる事にしました。
コルまで戻り、西峰への踏み跡に入ります。
踏み跡と言っても、しっかりした道となっていました。

西峰への道に入ると、途端に花が多くなってきました。
取り付きの斜面では、シナノキンバイ、エゾツツジ、ウサギギク、ヨツバシオガマなどが沢山咲いていました。


エゾツツジ

斜面はカンラン岩なのでしょうか、茶色の岩がゴロゴロしています。
チロロ岳本峰とは明らかに様子が違うのが分かります。


ウサギギク

一登りして稜線に出ると、花の種類も増えて、タカネトウチクソウ、エゾカンゾウ、ユキバヒゴタイ、チシマフウロ、エゾシオガマ、チシマギキョウなども咲いていました。

花を見ながら、しばらく行くと西峰の山頂です。
雲の中で見晴らしの利かない岩の上に、標識が置かれていました。


チロロ西峰山頂

時折、明るくなり日が射すような気配、期待してしばらく待ちましたが、結局は変化なし。
大展望は次の機会に譲って、下山する事にしました。

西峰を下山途中、雲が僅かに切れ、ほんの少しですが周囲を見る事が出来ました。


チロロ西峰の斜面

でも、チロロ岳は姿を現してくれませんでした。


西峰の斜面からコル(砂礫地)とチロロ岳への登路を見る

景色の代りに御花畑を楽しみながら二の沢に戻りました。


西峰の御花畑

沢を淡々としかも慎重に下って行きます。
そろそろ曲り沢への分岐と思っても、周囲は見た事の無いような沢風景、ピンクテープも見当たりません。
地図を見ても良く分かりません。
GPSをC'Kすると分岐を通り過ぎ、二の沢を下り過ぎていました。
慌てて登り返します。

多分200から300m程だったと思いますが、油断大敵です。
疲れて注意が散漫になっていたのかも知れません。

曲り沢に戻ってからは迷う心配はありませんが、岩を選びながら降りて行くのは結構時間も掛かりますし、疲れるものです。
上二股を過ぎてからは、バランスを崩したり、滑ったりで何回も深みに嵌まってしまう始末でした。
北電の取水ダムが見えた時には心底ホッとしました。

今回のチロロ岳、終始雲の中で何も見えず、地形や位置関係は把握出来ませんでした。
楽しみにしていた大景観も次回にとって置く羽目になりました。

でも、大雨の後の増水したチロロの沢を楽しむ事が出来、満足しています。
9時間を越える沢歩きは、体力的にも精神的にも結構きついものですね。

GPSトラック
Homeへ Page Topへ 次に進む

inserted by FC2 system