オコタンペ山、山頂直下の斜面を行く
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プロローグ
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初対面のEBさんとSGさんのご挨拶を済ませて、登山準備。
「千歳は思ったより雪が多く、寒いな〜」SGさんの感想である。気温はー12・3℃であろうか。
私とEBさんはスノーシューだが、SGさんは慣れている輪カンジキである。
オコタン分岐から漁川林道へと緩やかに下りて行く、直ぐにSGさんが「ちょっと待って!」。
カンジキの紐が取り付け部分から切れてしまっている、これでは歩けない。
SGさんは車に引き返し、予備のスノーシューに履き替えてくる事になった。
トラブルが山の中でなくて良かった〜! 不幸中の幸いである。
北東尾根取り付き付近の湿原
SGさんが戻って来るのを待って、オコタンペ山北東尾根に取り付く。
EBさんを先頭に進んで行くと、昨日か一昨日のものと思われるスノーシューとスキーのトレースがある。
地形図から予想した通り、比較的なだらかな尾根筋で歩き易い。
パーカーを着ていたSGさんとEBさんは「暑い!」と746mPで一休み。
一休み
ここからEBさんに譲られ、私がトップに立つ。
急ぐ山ではないし、汗をかかない程度のペースを意識する。
スノーシューに慣れていないSGさん、本当は得意の山スキーで登る方が楽なのだろうが、直ぐに要領を飲み込みさすがである。新しいスノーシューのトレースが付いている、先行者がいるのかしら?
「今日は平日だよね?」とSGさん。
ちょっと、私達だって遊んでいるんですよ・・・。
880mPへの登り
北東尾根で唯一の急斜面である880mPへの登りにかかる。
左前方に恵庭岳の山頂岩峰を見ながら、先行者のトレースを利用させてもらい楽をする。
尾根の左手、東側に雪庇が出てきた。然程大きなものではないが、意識しながら登って行く。
小さな雪庇が出始めた
右手には下りに使う予定の北尾根に、かなり発達した雪庇が張り出しているのが見えている、注意しなくちゃ・・・。
急斜面にジグを切って(EBさん撮影)
880mPへ着いた、ここまでくれば山頂へは一息だし、何回も歩いたことのあるルートである。
山頂を眺めていると山頂直下を登って行く人影を見つけた、やはり先行者がいたのである。
1名かと思ったら少し離れてもう一人、後ろは女性のようである。
大声でコールを送ったが聞こえなかったようであった。
880mPからのオコタンペ山
880mPから一旦コルへ下り、オコタンペ山南側の稜線に回り込んで山頂を目指す。
オコタンペ湖を眺めたりしながら、のんびり登って行く。
山頂直下で、初登頂であるSGさんに先頭を譲り、山頂を踏んでもらう。
山頂へ(EBさん撮影)
山頂へ着いた、お天気はどんより曇っている。風はないが気温は低い。
「青空だったらな〜!」とSGさんが残念がっている。
山頂からの漁岳と小漁山
先行者達の姿は既にない、ほんの僅かの滞在で下山したらしくトレースのお礼を言うことは出来なかった。
私達はのんびりと山頂での時間を過ごす。
EBさんが「3月3日のおひな様」のピンクのシュークリームを差し入れてくれる。
その優しく温かい気遣いが嬉しい。
SGさん(左)とEBさん
おにぎりやコーヒーも美味しいし、おしゃべりにも花が咲く。
時折日が射すが、全体にどんよりしていて遠くが見通せないのが残念だ。
周囲の山々の山座同定や歩いた山々の話、SGさんを中心に楽しい一時だ。
オコタンペ湖
30分近くオコタンペ山山頂での楽しい時間を過ごし、下山にかかる。
北西の稜線を進めば漁岳へ、北へ進めば北尾根だ。北尾根は明瞭だが狭く傾斜も急だ、雪庇も張り出している。
雪庇のクラックが目立つ急な尾根を注意しながら下って行く。
北尾根
奥様の平地用スノーシューを履いているSGさん、歯が食い込まず苦戦していたが、考えを変え得意のスキーの要領で上手に滑り降りて行く。大したものだ。
北尾根
EBさんもバランスよく滑るように駆け下りて行く。
私はお二人のような訳にはいかないので、急な所はもっぱら尻滑り、これがまた楽しいんだな〜!
尻滑りを楽しむ(EBさん撮影)
北尾根が分岐している811mPで一休みして、東側の尾根を走り下ると間もなく漁川林道へ合流、山頂から僅か30分であった。
この北尾根、下りには良いが登るには辛いと思った。
今回のオコタンペ山、私にとっては岳友のSGさんと久しぶりの、そしてEBさんとは初めての山行であった。
山仲間ならではの打ち解けた中でもそれとなくお互いを気遣い合う楽しい雰囲気の中で、初めてのルートを堪能することが出来て嬉しかった。下山後は支笏湖休暇村の温泉で汗を流し、またの山行を約束してお二人とお別れした。
なお、私達に先行していた二人組は私の所属しているHYML(北海道の山メーリングリスト)のSMさんご夫妻であった事、前日のトレースもHYMLの方のものだった事が判明した。
恐るべしHYMLである!
また、オコタンペ山は「大丹別山」とも呼ばれているのを教えて頂いた。
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