大平山 (1170m)

東北   2011.7.24 (日)   晴れ


 

 

2011.7.24(日)
旭又登山口 0540
お滝神社 0605
御手洗神社 0700〜15
大平山山頂 0750〜0835
法蔵寺分岐 0905
旭又コース合流 1000
旭又登山口 1015

大平山

秋田市郊外にある大平山。失礼ながら私はお酒の銘柄として承知しているだけの山であった。

朝日連峰を歩いている時、秋田の青年と会い東北の山を歩いていると話すと、時間があるならぜひ秋田の大平山も訪れて欲しいと言われていた。

山旅の順番から言えば今日は白神岳に行くべきだったのかも知れないが、夏休みに入って最初の日曜日。
人であふれる白神岳は避けたいと思い、それなら混むのは承知で秋田市民に愛されている大平山に遊ぼうと決めたのだった。

昨日は秋田駒ケ岳を下山し温泉で汗を流して、そのまま秋田市へ。
市内のホテルに宿泊し、夜は市内の飲食店で久しぶりに美味しいものをお腹いっぱい食べたのだった。

 

美林

大平山に登るルートは市民に愛される山だけあって幾つもあるらしい。
地図を見ると、仁別国民の森と言う所から登山道が引かれている。
早速カーナビに入力して出発だ。

案内標識に導かれ着いたところは、大平山・旭又登山口、駐車スペースも大きい。
到着して様子を見ると一人の男性が出発準備をされている、私の状況をお話しして大平山へのルートや注意事項を丁寧に教えて頂いた。有難う御座いました。

旭又コースと言うルートを辿る。
小さな沢沿いに歩き2度ほど橋で沢を渡り、山中へ入っていく。
間もなくお滝神社というお社があり、先程の男性が休憩していた。

さすがは秋田である、天然の秋田杉の林が続いている。
それも立派な杉が多い。

秋田杉
天然の秋田杉の美林

実に気持ちが良い。
暫く行くと杉の林はブナに変わるが、美しい林に変わりはない。
まさに木の国、秋田の面目躍如である。

 

御手洗神社

1時間半近く杉やブナの美林を楽しみつつ歩くと、御手洗(みたらし)神社と言う所へ出た。
水場があるとのことだが、古い石柱やお地蔵様などがあり、歴史的にも価値あるところのように思えた。


御手洗神社

有名な歌人が咏ったのだろうか、歌が刻んであった。
「掬ぶ手も氷るおもひにあな涼し 清きが上への浄き真清水」
多分、今時の暑い夏に詠んだ歌なのだろう。

御手洗神社で冷たく美味しい水を頂き、のんびり休憩する。
朝早いためが、まだ誰も登ってこない。静けさが貴重なものに思える雰囲気なのである。
お地蔵様に新しい着物や帽子が着せられている、これも市民から愛されている故なのだろう。

地蔵様
お地蔵様 可愛らしい

 

山頂神社

御手洗神社から山道を40分ほどで稜線に飛び出す。
そこから見えたものは・・・ありゃりゃ!


大平山山頂に 神社が・・・

山頂に建つ、立派な神社。
想像もしていなかったので、いささか驚いた。

市民の山でもあり、信仰の山でもあったのか。
そんなことを思いつつ、山頂を目指す。

山頂でも想像外のことがあり、びっくり。
なんと、若い女性達が待ち構えたように「お早うございます、お早いですね」と明るく元気に挨拶してくれる。
一体どうなっているんだ? こんな山の中に巫女さんかい?

伺うと、山頂にある三吉神社が企画した「山ガール・ツアー」に参加した女性たちとか。
山ガール・ツアーなんてものがあるのか、それも神社の企画とは、またまた驚く。

神社
山頂に建つ、三吉神社

山頂では、山小屋のご主人(多分、神社の神主さんを兼ねておられる)から実に丁寧に周辺の山々の説明をしていただいた。有難う御座いました。

晴れて視界もよく、山座同定には最適な条件だ。
男鹿半島や八郎潟もよく見えていた。

男鹿半島
手前左に宝珠岳、遠くに男鹿半島と八郎潟

神社脇にお地蔵様が三体、祀ってある。
いずれも良いお顔をされている。

地蔵様
山頂のお地蔵様

時間はタップリある。
小屋もご主人や山ガールの皆さんとたわいのない会話を楽しみながら、おやつを口にする。

ご主人から帰りは宝珠岳コースを使ったらと勧められ、細部を教えて頂きそのルートを使い、周回して下山することにした。

 

宝珠岳コース

登ってきた道とは反対方向に下っていく。
少し行ってから振り返ると、やはり山頂の神社が一番目立っていた。

山頂
宝珠岳側からの大平山山頂

宝珠岳までは、鎖場など変化に飛んだ道を楽しめる。

鎖場
鎖場


宝珠岳で稜線から外れ尾根を下る、この尾根もブナや秋田杉の美林の尾根だ。
ブナの葉や杉の葉が厚く敷かれた道を快適に下りていく。

1時間も下れば、登った旭又コースに合流し、僅かな距離で登山口へと戻った。

 

愛され続ける山

秋田市の大平山、何の準備もせずにぶらりと立ち寄っただけなのに、とても良い印象と感銘を受け、好きになった。
秋田市民の皆さんが大切にしている結果が環境の整備につながり、それが登る人たちにも通ずるのではないか。

帰ってから少し調べてみたら、薬師の峰として、また神霊が宿る修験の山として古くから信仰の山であったそうだ。
今は秋田市のシンボルとして、市民の山として親しまれている。

大平山を訪れて思った、標高が低くても素晴らしい山はあると。
地域の人達にとってどういう位置づけにあるかによっても、山の素晴らしさは変わっていくものなのだ。

ちなみに私の地元にある樽前山だって、千歳市民や苫小牧市民から大事にされ誇りに思われているからこそ、災害を引き起こす山にもかかわらず、何時も輝いていられるのかも知れない。

 

 


 


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