姫神山 (1124m)

2011.9.28(水)    晴れ

 


岩手山から見た姫神山

 

2011.9.28(水)
一本杉登山口 1055
5合目 1110
姫神山山頂 1210〜45
登山口 1350

姫神山

姫神山は標高こそ1100m程度の低山だが、実に端正で優しそうな山容であり名前ではある。
岩手山のお嫁さんという伝説もこの山の容姿が関係しているのかも知れない。
またそれが早池峰山と岩手山を巡る三角関係の逸話を生んだとすれば、容姿端麗も良いことばかりではないのかと思ってしまう。

さて、この山の本質は・・・?

 

逸話

姫神山と岩手山、早池峰山の三山を巡る「岩手三山伝説」というものがあるそうだ。

昔、岩手山と姫神山は夫婦で仲良く暮らしていたが、岩手山ほど男らしく逞しい山は他になかったためか岩手山は次第に有頂天になり威張り始め、姫神山に「お前みたいな女は出て行け!」と追いだしてしまったそうだ。
悲しみにくれていた姫神山に親切な早池峰山が近づき、仲良くなった。
それを見た岩手山は嫉妬に怒り狂い早池峰山と大喧嘩、火を吹き溶岩を飛ばしての闘いの末、姫神山とよりを戻した。
それ以来、岩手山と早池峰山は仲が悪く、岩手山が姿を見せている時は早池峰山は隠れ、早池峰山が晴れて姿を見せると岩手山は曇って姿を隠すと言われているそうだ。

 

一本杉

姫神山の最も一般的な登山口が一本杉である。
案内標識に従っていくと数十台は止められる駐車場とトイレがあり、すでに10台ほどの車が停まっていた。

歩き出すと極めてなだらかな道が続き、美しい杉の林の中を通過する。
その中に一本杉と名付けられた大きな杉がある。

杉林
美しい杉林

実に気持ちの良い登山道、その名の通り優しい雰囲気が漂う。
呆気ないほどの時間で5合目の標識、そこからやや傾斜が強くなる。

 

手強い!

樹林帯が続き、残念ながら視界は利かない。
斜面はまじめに登っていく。
「はじめは処女のごとし」と言う言葉が頭をよぎる。

山頂も間近の雰囲気になって、道が二手に分かれている。
一方は左の樹林の中へ、一方は右の岩場へと向かっていく。
岩場ルートを取ると、大きな丸い岩にカミさんが手間取っている。
この程度の岩場でどうしたのかと見ていると、腰に無理を掛けないようしているためかえって不安定になっている。
しまったと思ったが、降りるにはもっと不安定になるだろう。
ストックを補助に使い、引っ張り上げる。
これを何回か繰り返し、無事山頂へ出た。

姫神山に「甘く見るんじゃないよ、芯は強いのよ!」と言われたような気がした。

 

祈り

「最後が結構大変だったね」と労りつつ、山頂でゆっくり腰を下ろす。
菓子パンとフルーツだけの簡単な食事だが、岩手山を始めとする素晴らしい大景観がごちそうだ。

山頂
姫神山山頂

信仰の山らしく古い祠や石標が幾つも置かれている。
いにしえ人が祈りや願いを込めて担ぎ上げ置いたものなのだろうと思うと単なる祠や石標には見えなくなってくる。

祠
山頂にひっそり置かれた祠や石標

今でも山頂に立つとまずは岩手山に遥拝する人が多い。
子供の頃から家庭で、地域社会で、学校で、意識すること無く教えられ身についたもの、まさにそれが本物の信仰心なのだろう。
見ている内に私も岩手山がとても大切で貴重なものに見えてきて、深々と一礼させていただいた。

岩手山
姫神山山頂からの岩手山

 

超人

山頂で休んでいると、長靴を履き半袖シャツを汗でびっしょりにした私よりかなり年上の方が駆け上がってきた。
明るい声で「どうも・どうも」と言いつつ、三角点に触れ岩手山に礼拝したと思ったら再び駆け降りて行った。
あっという間の出来事だったが、元気な方が居るものだとあっけに取られた。

下山中、5合目付近でその男性が再び駆け上がってくるのとすれ違った。
「お元気ですね〜!」と声をかけると「今日は2往復しま〜す。家にいても嫌味を言われるだけですので・・・ハッハッハ!」と駆け上がっていった。

世の中にはすごい人が居るものだ。
あとから聞いた話では、姫神山を走って登る人としてこの地では有名な方らしい。

全く恐れ入りました!

 

 

ごめん!

下山後温泉でゆっくりしていると、カミさんが足首を痛めたようだと言う。
見ると左足首が少し腫れている。
岩場で無理をさせてしまったのが原因のようだ。

早速湿布を貼り、テーピングを施す。
明日には治り、旅を続けられますように願うばかりである。

 

オジロワシ歌壇

 

 

・老いざかり息はずませて登る坂
           姫神山頂中高年満つ

 

 

 

 

 

 

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