奥入瀬渓谷

2011.9.26(月)  曇のち晴

 

奥入瀬

 

 

虎鯖

9/25(土)夕方八戸港へ着き、夕食は市内で名物のサバ寿司。
これが鯖かと思うほどの大きさと脂の乗り、八戸では虎鯖と呼ばれているそうだ。
千歳では生の鯖など食べられない、本当に久しぶりに味わうとろけるような生の鯖に舌鼓を打った。

朝食と昼食、フルーツに八戸せんべいなどを買い求め、十和田の道の駅で車中泊。
道の駅から北八甲田の山々がよく見え、期待に胸をふくらませた。

 

石の戸

奥入瀬の紅葉はまだまだだが混雑するかも知れない、人に混じって列を作りながら歩くのは御免被り自分たちのペースで心ゆくまで静かに奥入瀬を楽しみたいと早朝に奥入瀬の石の戸休憩所へ向かう。
本来なら焼山の駐車場から子ノ口まで散策するのが奥入瀬の歩き方らしいが、午後には南八甲田の赤沼を訪れたいので核心部の石の戸〜銚子大滝の間を散策することにした。

石の戸休憩所はとても綺麗な建物、トイレも感動するほどきれいに保たれていて気持ちが良い。
幸い、時間も早く休憩所脇に駐車することが出来た。

0625準備を整え上流の銚子大滝へと歩き出す。
約3時間かけて銚子大滝まで散策し、バスで石の戸へ戻る予定である。

 

朝の静寂(しじま)

奥入瀬の散策路は流れに沿って深い森林の中に設けられていて緑に染められてしまいそうだ。
光が差し込むことによって光と影、色の変化が複雑に入り混じり、えも言われぬ景観を醸しだすのだろうが、曇りの上早朝とあってまだ薄暗い緑の中を進んで行く。
シ〜ン!と静まり返った森の中に自分達の足音と緩やかな水音だけが響き、お喋りすることも憚られるような雰囲気だ。

奥入瀬
緩やかな流れのほとり

 

阿修羅・飛金・白銀・・・

数日前までの大雨で水量は豊かだが水はやや濁り気味。
トロトロしたゆったりした流れが急にざわめきだした。
「阿修羅の流れ」「飛金の流れ」「白銀の流れ」などと名付けられた激しい瀬の出現だ。
白く岩を噛む瀬の風情は心を沸き立たせて将来を夢見ていた青春時代の気概を思い出させる。

瀬
激しい水音を響かせながら

 

目線

奥入瀬の散策路の特徴は歩く人の目線の位置が水面と同じぐらいに低いこと。
高い所から見下ろすのではなく、流れと一体になってしまう感覚に陥る。
心にくいほど上手な設計である。

交互に現れる激しい流れとゆったりした流れ、人それぞれによって悠久の時の流れや自分の人生になぞらえ感慨深いものをその胸に去就させるのではなかろうか?

奥入瀬
悠久の流れ

 

コロ・コロリ

歩いていると栗のような実が幾つも落ちている。
拾って眺めている間にも幾つも落ちてきて足元に転がったり、流れに嵌っていく。
まさに「どんぐりころころ・どんぐりこ」状態である。

栃の実であった。時期が良かったのか一本の木からも大量の実が落ちていて辺り一面栃の実だらけ。
これだけあれば、昔の人が渋抜きが大変でも何とか食べられるように工夫したのも頷ける。

奥入瀬は水の流に目を奪われがちだが、森や木々も素晴らしい。
ゴツゴツした太い幹、枝や幹をくねらせ人や怪獣のように見えるものまで自我を主張しているかのようだ。


木

 

奥入瀬の源流は勿論十和田湖だが、その他にも幾つもの支流が流れこんできている。
それらが流れとは違う魅力、滝を形作っている。
私達が歩いた間だけでも、雲井の滝・白布の滝・玉簾の滝・白絹の滝・姉妹の滝・不老の滝・九段の滝・銚子大滝と名付けられた大小の滝が落ちていた。

滝
九段の滝

 

銚子大滝
銚子大滝

 

心を洗い・心を磨く

奥入瀬渓谷の石の戸から銚子大滝まで約2時間半、大自然の静寂、緑に染まりながら時に激しく時に緩やかに流れる水の風情、岩や木々に張り付いた苔、コロコロ転がる栃の実、大小様々な滝。
そんな中を物思いにふけり、自然を畏れ、考え、話し、静に歩く。

まさに「心を洗い・心を磨く」時間であったように思う。
奥入瀬はそんな所だと感じ、やはり素晴らしいところだと思った。

 

オジロワシ歌壇

 

 

・朝霧に陽矢の差しきてもののけの
            現れそうな奥入瀬の森

 

 

 

 

 

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