山陰・山陽地方を巡る旅  第10日目

 

五箇山 菅沼合掌造り集落、東尋坊

2016.5.19 (木)  晴れ


 

五箇山
菅沼合掌造り集落

 

五箇山 菅沼合掌造り集落

「丹波 おばあちゃんの里」で目覚めた私達、コンビニで朝食を調達し身支度を整えて出発。
すぐ横のインターから高速に乗り、一路 五箇山を目指す。

朝の高速は空いていて快適。
1時間も経たないうち敦賀を通り抜け、さらに福井も通過する。
そして加賀から日本海沿いに走り小松へ、右手には白山が霞んだ山影を朧に見せている。

ここで疑問が頭をよぎる、五箇山に行くのにこんなに北上するのだろうか?
カーナビの縮尺を広げて確認、走っているルートは金沢の北まで行ってから五箇山へ南下するコースなのだ。
「すごくと遠回りして行くんだね」
「金沢まで行くの? でもナビに従うより仕方ないでしょう」
「うん、帰りは白山スーパー林道を通って福井に抜けよう」

こんな訳で、6時に丹波を出て五箇山に付いたのは10時少し前だった。

五箇山の合掌造り集落は、菅沼地区と相倉地区の2地区があることを案内看板で知り、庄川に囲まれた小さな集落である菅沼地区を訪れることにした。

菅沼集落には156号線沿いの駐車場から歩いて行くようになっている。
駐車場には集落の人が居て、案内をしてくれる。

畦道の幅を広くしたような道を下っていく、集落が見えてきた。

菅沼集落
菅沼合掌造り集落

こじんまりまとまった隠れ里といった雰囲気の里だ。

庄川が屈曲して出来た僅かな平地にあり、集落の外側三方を庄川が取り囲むように流れている。

庄川
緑の水が緩やかに流れる庄川

結構大きな川である。緑色の水を蓄えゆったりと流れている。

集落に入っていく、10軒ほどの合掌造りの家が立つ小さな山村、静かである。
通りかかった住民の女性が「おはようございます。良いお天気ですね」と声をかけてくれる。

五ケ山
茅の色が美しい、葺き替えたばかりなのかな

 

白川郷のように観光地ずれしていないのが新鮮で好ましく感じられる。
里の鎮守様が隠れるように鎮座されている。

鎮守
神明社と言う鎮守様

 

民俗館が設けられていたので入ってみる。
昔ながらの生活道具、紙漉きや養蚕の道具などが展示されていた。
カミさんは実家にあったものを思い出しながら使い方などを私に教えてくれる。


囲炉裏の天井は煤で真っ黒

 

蓑が展示されている。かなり前、蓑を被ったおばあさんが山から籠を背負って降りて来たのを目撃してびっくりしたことを思い出した。

道具
二階は蚕を飼っていた

 

道具
川渡しで使う籠

 

また「塩硝の館」があり、入ってみる。
いわゆる黒色火薬で銃を運用する際の必需品。
誰が考え付いたのか、ヨモギやそばがら・麻の葉を蚕・鶏の糞・人尿・土と混ぜて囲炉裏端に埋め、毎年掘り返して発酵させ5年かけて作られたという。
加賀藩の極秘事項、塩硝は五箇山の年貢として収められていた。
ちょっと信じられないような本当の話である。

 

小さな里だし、一軒一軒の大きさもそんなに広くない。
狭い庭に水田を作ったり、畑にしたり、花を咲かせたり、うまく活用して生活している。

竹の筧と木を掘り抜いた桶が道端に置かれ水が流れている、これは生活用ではなくて観光用だろうな。

木の桶
冷たい水が

 

観光ずれしていないと言っても、観光なくして生活は難しい。
10軒の集落に数軒のお土産屋と飲食店がある。

が香山
メイン道路に面して並ぶ家々

 

ここのお店やさん、商売気が感じられない。

カミさんがここの和紙で作られた短歌用の色紙を見つけ、短歌の友人たちへのお土産として購入した、店番をしていたご主人「これはあまり売れんから幾らだが知らん」と言って老眼鏡を掛けて定価を見るが「600円なのか800円なのかよう分からん、あんたさんお分かりかえ?」
カミさんが「800円と書かれていますよ」と言うと「そしたら800が10だから8000円、でも10もあったかな?」こんな調子ののどかなのんびりした会話が流れていく。

違うお土産屋には沢山の野菜や動物のぬいぐるみと手作り手芸品が並べられていた。
カミさんも可愛い〜と手に取っている、その奥でおじいさん居眠りしている。

土産屋
お土産やさん

 

ゆっくり集落を歩いていたら11時を過ぎている。
おやつを食べようとお店に入る、店のご主人や奥さんと軽口を叩きながら味噌ダレの五平餅をいただく。こういう所で食べるおやつはどれも美味しい。
住人の皆さんも、穏やかで素朴、良い人たちだ。

おやつ
五平餅でも

 

菅沼の集落は、ひっそり目立たぬように静かに暮らす人達が居る所。
良い所だ、すっかり好きになってしまった。

お陰様でゆっくりと流れる時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

 

温泉

五箇山から白山スーパー林道を経由して福井に行こうと、白川郷からスーパー林道方面に向かう。
しばらく走っていくと、林道通行止の看板が。嘘! なんで?
「積雪のため通行止」とある。
白山の登山道なら積雪はわかるけど、林道でなぜ? 除雪をしていないのかな。

何れにしても、一人ジタバタしても仕方ない。
今日中に福井付近まで行けば良い、こうなったら温泉でのんびりしよう。
何せ、昨日は訪ねた温泉が休業日でお風呂抜きだったのだ。

白川郷近くに温泉を見つけ、真昼間からお風呂。
木の大きなお風呂、川のほとりの思いがけずに良いお風呂。
今回の旅で入った温泉の中で、一番気に入った良い温泉。
もうけもの、拾い物をした気分、スーパー林道が通れなかったお陰だったのか?
ともあれ、昼寝をして2時間以上のんびりさせてもらった。

 

東尋坊

温泉で気分もさっぱり、再び金沢回りの高速に乗り東尋坊を目指す。
東尋坊は大昔行ったことがあるけれど、断崖以外は忘れてしまっている。
カミさんと一緒に新鮮な気分で見て回ろう。

東尋坊に着いたが、こんなに沢山あったかと思うほどお店が立ち並んでいる。
そして平日だからと思っていたが、結構な人出。

こんなに狭く小さかったかと思うほど、岩場の全長は短くせいぜい数百m。
もっともっと雄大だった古い記憶があったのだけど・・・。

東尋坊
東尋坊

 

少し傾いた太陽が海を岩場を照らしている。
海を正面に見て左から右へ、足場に気をつけながら見て回る。
さすがに岩場の淵に立つと、高さを感じる。

いわば
さすがに高さを感じる。20mはあるだろう。

 

カミさんは用心して岩の淵から1m以上離れて見物。
時折クライマーが練習していると聞くが、この日は居なかったようだ。

いわば
東尋坊の断崖

 

日御碕と異なり、柱状節理の柱が太く迫力をより感じる。

人の記憶なんてあやふや、朧なものだ。
超・雄大な岩場が続く迫力満点の所という記憶があったのだ。

東尋坊は冬の厳しい季節、みぞれ混じりの風が吹きすさぶ場面に似合う所ではなかろうか。

 

一乗谷

明日は永平寺を参詣する。
今日はその近くで泊まりたい。

調べると道の駅 「一乗谷あさくら水の駅」が永平寺まで車で約15分、福井からだと約20分の距離にある。
ちょうど良い、今夜は一乗谷で泊まることに。

途中、コンビニで食べ物を調達。
道の駅「 一乗谷あさくら水の駅」に着いたのは17過ぎであった。

この道の駅は九頭竜線が100mほど横を走り、足羽川のほとりにある。

ビオトープが整備され、三連の水車、足羽川の頭首工などもあり、道の駅というより生徒の研修施設のような雰囲気が漂っている。

また、かつての朝倉一族が支配していた所で、遺跡も近くにある。

水車
三連の水車

 

水車
水車の構造が分かり易く作られている

 

足羽川はかなり大きな川、灌漑用の頭首工が整備されていた。
頭首工に載せられた朝倉遺跡をイメージした建物が珍しい。

足羽川水門
足羽川の頭首工

 

明朝、時間があれば一乗谷朝倉遺跡を見てみたいと思いつつ眠りに落ちた。

 

オジロワシ花壇

 

・風下に葉先揃えて集落の
      早苗しなやか強さを秘めて

・にこやかな翁の焼ける五平餅
      お昼に早いと言いつつ頬張る

・谷深し庄川沿いの菅沼は
      おとぎばなしに立ち返る里

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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