|
目覚めると快晴、気持ちが弾むようで嬉しい。
信州に来て、初めての快晴である。乗鞍の山々もくっきり見えている。今日は一日をかけて乗鞍高原を出来る限り歩いて楽しむ。
乗鞍高原には、目的に応じて散策路が何本もあって充実している、それを利用して高原の素晴らしさを堪能したい。
幸い、カミさんの鼻炎もかなり良くなり、歩いて楽しむことが出来そうだ。
善五郎の滝
すずらん橋の駐車場に車を置いて歩き出すと、10分で滝見台。
善五郎の滝 空から剣ヶ峰が見下ろしていた
滝見台から急な下りを滝壺に向かって降りて行く。
善五郎の滝落差21m、幅8mの端正な滝。
惜しむらくは、上から下まで同じ幅で変化なく落ちていること。
ちょっと単調なのだ。朝日を浴びて、虹でも出てくれれば最高なのだが・・・。
善五郎の滝
牛留池
善五郎の滝から山に向かって散策路を登っていく。かなり真面目な登りもあるし階段もあるが、朝の清々しい空気に浸りながらで気持ちが良い。
20分ほど登ると牛留池への分岐にで、あとは数分で目的地。
樹林の中の道で花も無いが、池に近づくとミズバショウやショウジョウバカマが咲いていた。牛留池の畔りに立って、息を飲んだ。
水鏡になった牛留池風がなく水鏡となった牛留池の水面に、空と乗鞍連山がしっかり映って、まさに合わせ鏡。
いや〜、綺麗だ!
左から高天原(2829m) 大日岳(頭だけ) 剣ヶ峰(3025m) 摩利支天(コロナ観測所がある)。水に映る快晴の空と新緑が、雪の白さを引き立てている。
乗鞍の主峰 左から高天原(2829m) 大日岳(3014m) 剣ヶ峰(3025m)
凄いね〜、凄いね〜、凄すぎるよ。
おしゃべりしながら見る角度を変えて、素晴らしい景観を見比べ、じっくり写真撮影。
カミさんの鼻炎はまだ完全回復とはなっていないようだが、ベンチで思い浮かんだ短歌をノートに書き込んでいる。
池の展望台のすぐ近くに、面白い形の木があった。
なんじゃ? この木は
お客さんを連れてきていた宿の方が、木の種類は「朝鮮五葉」で、通称「くねくねの木」だと説明していた。
三本滝
次は今日の散策で一番上部にある三本滝、標高は1850m位。
乗鞍岳山頂部に通じる乗鞍エコーラインは、三本滝で一般車両は通行止めになっている。
この時期は春スキーを楽しむ人たちが多く、乗鞍高原の各駐車場に車を止めてシャトルバスで山頂部へ向かう。
この三本滝にある駐車場もその方達の車で満車状態。バスを待つ人もたくさん。片隅に駐車し、三本滝までは少し距離があるのでしっかり準備して歩き出すと、スキーヤーたちがどこに行くんだと不審そう。
ここから三本滝までは麦草峠〜白駒池ほどではないが、雪道を辿っていく。
静まり返った針葉樹林帯の中を森林浴を楽しみ、鳥のさえずりを聞き、足元に注意しながらゆっくり歩を進める。
やがてゴウゴウという水音が高くなり、吊り橋を渡ってまもなく、赤茶色の岩肌を流れ落ちる滝が見え、さらに登るとその右側に黒々とした巨大な滝が目に飛び込んできた。
三本滝の内、一番大きな滝巨大な岩盤を何段にも跳ね、分かれ、ある所は舐めるように、弾けるように、凄まじい迫力で流れ落ちている。
目が惹きつけられ離すことができない。全体が望める岩に三脚を据え付け、アングルを変え・レンズを変え・フィルターを変えて撮影三昧。
カミさんは私の姿に呆れながら、滝を眺めて短歌を作っている。
三本滝の内、右と真ん中の滝
三本滝とは、三つの沢が合流する地点の直前で、それぞれ滝となって落ちるのを一挙に見られることから名付けられたようだ。
三本目の滝は何処だと探すと、左奥に二段になって流れ落ちるやや細い滝があった。確かに、一つのカールのようになった大きな窪地に、三筋の滝が流れ落ちている。
日本の滝百選や長野県の名勝に選ばれただけはある、珍しいうえに男性的な名瀑であった。
三本滝 手前の吊り橋
雪解け水が至る所で小沢と化している。
ほんの小さな水たまりの苔が美しく光り輝いていた。
美しい苔が光り輝いている
まいめの池
乗鞍高原 一の瀬園地にある「まいめの池」は、池に映る乗鞍岳を見ることができる。
まいめの池池が持つ雰囲気なのか、乗鞍の山々が優しく穏やかに見える。
腰を下ろして、お菓子でも食べたくなる。そんな気持ちになる「まいめの池」であった。
桜が青空に映えている
あまりの気持ち良さに一枚記念撮影
引き続いて「アザミ池」という所まで歩いてみたが、見るべきものはなかった。
番所大滝
散策ルートの、番所大滝・千間淵コースを歩いて大滝へ行く。
公民館の駐車場を利用、沢に降り沢沿の散策路を進む。
橋を渡れば、千間淵。
白く泡だつ激しい流れ、凄まじい轟音に体がよろめく感じさえする。
ドーム型に抉られた淵に小滝が流れ落ちている。
陽の光を遮ぎった暗いドーム型の淵が不気味な気配を漂わせ、流れる滝水に光が注ぎ緑色に光っている。
千間淵
番所大滝を流れ落ちる沢水は、水量も多く怖いくらい。
滑りやすい木道や階段に注意しながら沢沿を15分位下り、再び橋を渡って急坂を一旦登り道路脇に出る。
そして階段道を下る・下る。長くて急な階段にお年寄りの中には諦めてしまう人も。下っていくと滝音が高く大きくなってきた。
かなり大きく立派な滝だ。滝展望の東屋が立っている。
番所大滝落差45mもある勇壮な滝、水量もあり展望台にいても水煙で濡れてしまうほど。
下部のゴツゴツした岩を流れる流れの模様が面白い。
規律正しいような 勝手気ままのような
東屋で一枚
番所大滝は三本滝と並ぶ乗鞍を代表する見事な滝。
落差も大きく、流れ落ちる水の表情も素晴らしい一見の価値がある滝だと思う。
梓川神社
番所大滝の少し松本寄りに梓川神社がある。
梓川と言う名前が気になって、立ち寄ってみた。入り口側の小さな池にミツガシワが花をつけていた。
花の内側の白い毛が目立つ、何の役割があるのだろう? 見るたびにそう思う。
ミツガシワの花
道路沿から神社まで15分ほど歩く、思ったより遠くて間違ったかと思ってしまう。
神社は決して立派ではないが風格を感じさせる社殿だった。神社から山の方を見ると、山側にも鳥居があり乗鞍岳がその中に。
おお、絵になる!
梓神社の鳥居と乗鞍岳
朝から乗鞍高原の一日を大いに楽しんだ。
素晴らしいお天気に恵まれ、高原の見どころを訪ね歩きその魅力を余すことなく見ることができ嬉しかった。感謝・感謝である。
ただ気温差が20℃以上にもなり、いささか疲れた。
道の駅「アルプス安曇野・ほりがねの里」
今日は乗鞍高原を楽しみ、明日は安曇野を歩く。
明日に備え、宿である安曇野の道の駅に向かう。道の駅からは、常念岳が真正面にすっくと聳えていて胸が震える思い。
道の駅の横から望める常念岳
明日から北アルプスの山々が惜しげもなくその雄姿を見せてくれることを願いながら、近くのしゃくなげの湯で疲れを流し大相撲TV観戦。
常念岳
閉店前までに道の駅に戻り夕食。
食事は「ほわほわ御膳」という野菜が様々に調理された農家風のご飯。
野菜不足の体に、吸い込まれるようにお腹に収まった。
常念岳と鯉のぼり