|
今日も晴天、有難い。
信州の最終日を有終の美で飾れると意気込んで、早朝に出発だ。
鷹狩山展望台
信濃大町にある山岳博物館から鷹狩山展望台への道が付けられている。
かなり狭いくねくね道、大展望を見たくて気がはやるけど慎重な運転が求められる。途中の道に猿がいるのを発見、「こんな所にも居るんだね〜」と徐行しながら観察。
よく見ると、居るわ居るわ。大集団だ。
子供を抱いた母猿が多い、いち早く逃げる奴、壁にしがみついている奴、じっとこちらを見ている奴、道路に座り込んでいる奴、人間と同じでいろいろな性格の猿がいる。とんだ時間を食ってしまったが、やっと鷹狩山の展望台へ。
そこにはお目当のものが、悠然と待っていてくれた。
鷹狩山からの北アルプス大展望大町市街地を挟んで、左から蓮華岳、赤沢岳・鳴沢岳と続き、中央やや右に爺ヶ岳、その右に鹿島槍ヶ岳、そして一番右に五竜岳と見事な景観を見せていた。
久々に見る北アルプスの大展望、凄い・凄すぎる。
大天井岳〜白馬岳までの後立山連峰が、朝の光を受けてズラリと屏風のように並んでいる。
鷹狩山からの展望を続けてご覧頂こう。
上の写真の南側の山並み中央右が蓮華岳、左の主稜線の手前の山並みに唐沢岳と餓鬼岳が見え、さらに左に燕岳、大天井岳が見えている。
蓮華岳〜爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜白馬岳
少しアップして、爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳である。
爺ヶ岳 鹿島槍ヶ岳
展望台からは、爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳が圧倒的な存在感を示している。
私にとって爺ヶ岳は強い印象の山ではなかったが、ここからは素晴らしい山容だ。
鹿島槍ヶ岳は、独特な優美な吊り尾根がいつもながら美しい。
私にとって思い出深い針ノ木岳は爺ヶ岳の陰に隠れてしまうのか見当たらない。カミさんも初めて見る東側からの後立山連峰の景観に感動して見入っている。
扇沢へ
鷹狩山を降り、黒四ダムへ行くため扇沢へと向かう。
この辺りを通るのは、何十年ぶりだから景観も初めてみたいなものだ。
横を流れる清流が美しく、正面に雪山が見えてきた。
多分、針ノ木岳から蓮華岳の間だろう。
扇沢近くの清流と山
扇沢には、大駐車場が4箇所もあり、ターミナルも大きい。
時間表を見ると、始発は0730で十分間に合う。
この天気なら楽しめる筈と、大観峰までの往復券を購入した。
大観峰
扇沢からは文明の利器である機械力を利用して移動する。
まずはトロリーバスで黒四ダムまで、そこで乗り換え地下を走るケーブルカーで黒部平、そこからロープウェイで標高2316mの大観峰まで行けるのだ。
実質乗車時間は、わずか28分なのである。
さらに大観峰からトロリーバスで立山室堂まで歩かずに行くこともできる。一昔前までなら、信じられないこと。
私が大昔、立山から黒四ダムまで降りるだけで、4時間位かかったように記憶している。朝一番のトロリーバスで行くと乗り継ぎも順調で、0730に扇沢を出て0840には大観峰の展望台に立っているのだ。
乗客は観光客と春スキーを楽しむスキーヤーが半々ぐらい、皆さん先を急いで室堂へまっしぐら。
そのお陰で、大観峰の屋上展望台は私たち二人の貸し切り状態で、超ラッキー!
大観峰屋上展望台からの後立山連峰黒四ダムを挟んで、正面に針ノ木岳、その左がスバリ岳・赤沢岳が、針ノ木岳の右は船窪岳や不動岳で野口五郎岳まで見えていた。
気温は4・5℃で、さすがに体を動かしていないと少し寒い。
針ノ木岳のずっと北には、鹿島槍ヶ岳と五竜岳が見えている。
どこから見ても均整のとれた美しい山だ。
五竜岳 鹿島槍ヶ岳 赤沢岳 スバリ岳 針ノ木岳
大観峰からは針ノ木岳が真正面に一番立派に見えているのが嬉しい。
針ノ木岳は、私が北アルプスで初めて登った山なので、思い出も思い入れも深いのだ。
針ノ木岳
その時は針ノ木岳山頂部にある大きな岩穴にテントを張り、槍ヶ岳まで縦走したのだった。
途中の不動岳、烏帽子岳、南沢岳のキツかったことが、昨日のように思い出される。
それらの山々を一望して、一挙に55年前にタイムスリップした思いである
烏帽子岳〜野口五郎岳
カミさんにその時の話をしつつ、見えている山々の山座同定。
独りよがりの半ば自慢話を嫌な顔もせず、頷きながら聞いてくれるカミさん。
ありがとう。
思い出の山をバックに
鹿島槍ヶ岳も私も好きな山の一つ。
どこから見ても美しい姿を見せてくれる。
大観峰からは見えないけれど、双耳峰を結ぶ吊り尾根の美しさはピカイチだと思う。
鹿島槍ヶ岳(右) と 五竜岳(左)
ピーカンのお天気でも肉眼で見る分には美しい大景観でも、カメラになるとピーカンの天気、特に昼間は決して良い条件では無い。
光と影が明瞭で無くなるため、平板な表情のぼんやりした写真になり勝ちなのである。
この時は、まさにピーカンの昼間。 上手く写っていると良いのだが。
鹿島槍ヶ岳、五竜岳と共に
目を背後に移せば、真上に立山の山頂稜線が覆いかぶさるように見えている。
立山
素晴らしい大景観、そしてお天気。
何よりも、惜しげもなく姿を見せてくれた山々に心からのありがとう。もう再び、出会うことはできないだろうが、悔いはない。
黒部平
ロープウェイで大観峰から黒部平へ降りる。
すれ違う上りのロープウェイが立山の大きさを強調している。
スキーヤーの描くシュプールの見事さにも目を見張った。
正面中ほどに大観峰の駅舎が見える
少し下がっただけなのに、山々の見え方がだいぶ違って見える。
黒部平からの針ノ木岳とスバリ岳
黒部平から見上げる立山
黒四ダム
黒四ダムまで戻ってくると、そこはごく普通の街の風情。
ダムの堰堤や展望台から湖や山の展望を楽しんで、扇沢へと戻った。
黒四ダム堰堤から上流を見る 雪山は赤牛岳
ダム展望台から黒四ダムと立山
ダム湖と赤牛岳 その右は薬師岳かな
黒部峡谷 下の廊下方向 雪山は鹿島槍ヶ岳と五竜岳
新潟市へ
北アルプスの大景観を満喫し、思い残すことはないと一挙に新潟市へ戻る。
明日からの佐渡観光に備えるためである。ますは糸魚川へ、大町から白馬、小谷を経由して北上していく。
小さく見えていた五竜岳、唐松岳、白馬鑓ヶ岳、白馬岳が大きく立派に見えてきた。
それらの山々にも、車の中からさよならだ。小谷を過ぎると右手に雨飾山が堂々とした姿を見せはじめた。
雨飾山は登りたいと思っていたのに、結局訪れられなかった山。
姿を見せてくれてありがとう。糸魚川から高速に乗り、一路北上。
すぐに妙高、火打が独特の傾いたような姿で現れた。
この山達にもお世話になった、元気でいろよ!大観峰や黒四にいた時は気にならなかったが、気温が異常に高くなり堪らない程暑い。
サービスエリアで休み休み、新潟へ向かう。今日は、明日朝の佐渡行きの船に間に合うよう新潟ふるさと館に泊まる予定。
道の駅にはお風呂が無いので、近くの温泉に直行。
汗を流し、カミさんはコインランドリーでお洗濯。
道の駅に着いたのは、1800頃だった。
大失敗!
佐渡へは車を置いていくので手回品をまとめている時、携帯が鳴った。
出ると、佐渡に予約をしている宿からである。「明日はお世話になります。よろしく」
「いえ、予約は今日になっています。準備を整えてお待ちしているのですがお出でにならないので・・・」
「エエッ!?」スケジュール表綴りに入れてある予約表を取り出し点検。
あれ〜! 確かに今日になっている。どうしよう?とりあえず宿には平謝り。
こちらの手違いでご迷惑をおかけしたことを謝罪し、今後の計画変更を考え連絡することにした。何をやっているんだ! 自分に対する怒りと馬鹿さ加減に呆れる思い。
カミさんもどうしようかと心配顔。日にちを完全に1日間違い、信じ込んで行動していたのだ。
明日、佐渡に行ったとしても帰りの行動が急かされる。
佐渡を中止するか、忙わしい行動覚悟で行くかのどちらかだ。カミさんに「ごめんね」と謝りながら、相談。
慌てて考え行動しても、良いことは無い。
今回は佐渡を諦めようとの結論に至った。それではと、レンタカー会社、船会社に連絡。
こちらのミスで訪れることができなくなった旨、説明しお詫びする。
幸い、こちらの言い分を理解していただくことができた。
機会をとらえてぜひ佐渡へおいでください、その時は弊社のご利用を・・・。
と、予約そのものを無かったことにしてくれ、キャンセル料も無いことに。
どんだ事件発生で、とてつもなく疲れた。
こんな時、色々考えても良い知恵は出ない。
明日できることは、明日にして、寝てしまおう。でも、なかなか寝付くことはできなかったな〜。