五所川原のねぷた
プロローグ
昨7/23は終日雨だった。
そのため計画を大幅に修正し、後日計画していた青森市に住むカミさんの友人に会うのをメインとして観光は取り止めた。ところで、私達は津軽半島にはこれまで足を踏み入れたことがない。
今回の旅ではぜひ津軽半島を回り、「青森津軽と言えば、リンゴ」と言う固定観念を刷新したいと思っている。でも、そんなに見所はあるのかな〜?
旅番組に魅せられて!
色々見て回るにしても私達は基本的に自然大好き人間、どうしても関心は偏ってしまう。
調べて気になったのが、津軽半島の最東北部にある「高野岬」。
理由は、偶然見た旅番組での写真が気になったから・・・と言う単純なもの。
それは?
高野岬
津軽海峡に突き出した岬、そこに掛かる2本の赤い橋。
一体何だ? 何のためのもの? 極め付き単純な疑問である。
それを見たさに、行ってきた。弘前からひたすら北上。
途中に突然現れた周囲の田園風景とは全く異質の近代的ビル(新幹線 奥津軽いまべつ駅)に驚きながら約2時間、津軽海峡を望む高野岬に到着。そこからは写真で見たのと同じ光景がちゃんと広がっていた。
実際に見ても、何か気になる光景である。岬の先端から海へ降りてみる。潮の香りが気持ちを穏やかにホッとさせてくれる。
岬の先端から振り返る掛かっている赤い橋、漁のためでも生活のためでもなく、観光のためだけに作られたものらしい。
ペイするの? と思わず思ってしまうが、私達でさえ行きたくなった景観なのだから集客ポスターの役割は十分果たしているのだろう。
高野岬にて
見渡す津軽海峡はあくまで青く果てしない。
蝦夷地は見えるか? 目を凝らしてみるが、お隣の竜飛岬さえ霞んでいるのだから無理というものだ。
高野岬からの津軽海峡丁度アジサイの花の時期、津軽のあちこちできれいに咲いているのを見かける。
津軽の人たちの花や自然を愛する気持ちが表れているように思えた。
手入れされ、きれいに咲いているアジサイ
きたぞ〜! 津軽半島最北端
高野岬から竜飛岬へ向かう道路から新幹線は探しても見えない。すでに海底トンネルへ地下を走っているのだ。
竜飛岬付近では、漁民や観光客ではないと思われる人の姿が目立つ。
新幹線・海底トンネルの維持管理を担う方たちが増えているのかな。津軽半島最北端の竜飛岬灯台、トンボが群れ飛ぶ灯台は別段何の変哲もないけれど、最北の地と思うだけで感慨深い。
夏だというのに、「津軽半島冬景色」のメロディーが頭の中で流れてる。
竜飛岬灯台
岬付近の地形は崖となって海に落ち込んでいる。
崖と海のコントラストが最果ての地を思わせる。
柱状節理のような岩だから、垂直に落ち込んでいるのかな。
竜飛岬周辺の崖地形
やっと見えたよ〜!
竜飛岬からは半島の西側を南下して十三湖へ向かう。
その途中、海の上に小さな三角形・・・。
岩木山だ。 この旅で初めて目にする岩木山。 うれしい!
岩木山が姿を現してくれた
昨日の雨が、スモッグの塵を洗い流してくれたのだろう。
中腹から下はまだ霞んでいるが、上半分はクッキリはっきり。カミさんもうれしそうに見入っている。
明日はきっと登れるよ。
どちらも食べた〜い。 迷うな〜!
鎌倉時代から独自の海外貿易で栄えたと言う十三湊、それが今の十三湖である。
大津波で壊滅し面影も無くなったと言うが、大昔から津軽の発展や藤原文化の興隆に無くてはならない港だったようだ。
十三湖
この十三湖で是非にと思っていたのが、名物「しじみづくし」のご飯。
お店に入り、メニュウを確認して注文しようとして、はたと迷った。
この中泊町では、「メバル膳」と言うメバルの姿盛り刺し身、姿煮、イカ刺しの膳を町の名物として売出し中なのだ。どちらも食べたいけれど、二つは無理。
どうしよう、どうしようと悩んだ末、当初の願い通り「しじみづくし」に決定。
大変美味しゅうございました。
しじみづくしのご飯
わぉ〜! こんなにすごいの!
しじみご飯でお腹はいっぱい、少々眠さを感じつつ次の見所へ。
カミさんが青森の友人から「青森や弘前のねぶたとは比べ物にならないほど凄いから、ぜひ見ていって!」と勧められたのが、五所川原の立佞武多(たちねぷた)。
五所川原の立佞武多館に行ってみると、やけに背の高い建物。
入って、ひっくり返りそうなぐらい驚いた。
今年制作の立佞武多
館内には三台の立佞武多、それぞれ高さ約20m、重さ約20tもある山車が電飾に飾られている。
この山車が祭り当日には、この建物から引き出され、街中を練り歩くという。
さぞかし勇壮で豪快なお祭りなのだろう。
昨年制作の立佞武多
一昨年作成の立佞武多 (一部をアップ)
こういう物にはあまり関心を示さない私達、紹介してもらって本当に良かった。
つがる人の心意気を強く感じ、圧倒されるほどだった。
そして、好き嫌いせずその地の名所名物は見ていくものだとも感じた。
なんて優雅な・・・!
次に訪れたのは、鶴田町にある「鶴の舞橋」。名前からして優雅なイメージ。
第一印象も、「伸びやかで素晴らしく良い所だね〜」
鶴の舞橋と岩木山
岩木山とそれを写す津軽富士見湖に架けられた木製の三連太鼓橋は、丹頂が羽ばたいているようにも見え、なんとも優雅。
私達には岩木山が見えるだけでも、十分素敵。
岩木山登山への意欲を高める、鶴の舞橋
使われている木材は青森名産のヒバ材、水に強く塗料も塗らず水中に立てられている。
三連の橋は一つが長さ100m、全長は300mで、日本一長い木製の橋なのだそうだ。
鶴の舞橋
林檎の剪定技術が・・・?
最後は弘前に戻って、弘前公園へ。
弘前市は春の桜で名高い所。
弘前城のある弘前公園のみならず、街中のいたるところに並木や庭園風に植えられており、その木が皆立派な老木。(勿論、若木も一緒に育てられている)立派な桜の木を育て支えているのが、林檎の剪定技術なのだという。
なるほど、人々が一体となり協力しあって弘前の桜を育ててきたのか。納得、納得。
弘前公園のお堀 勿論植えられているのは桜の木々
弘前城を中心とした弘前公園、花見の時期と違い落ち着いた静かな気配が漂っている。
城内へ通じる橋の一つ弘前城は大規模な改修工事の真っ最中、本来の場所から一時的に100mも移動させられていた。
仮の場所に移動している弘前城
歩いて感じたのは、弘前は歴史を感じさせる落ち着いたイメージの町。
桜は勿論素晴らしく凄いが、それを育て定着させてきた津軽弘前の人々の熱意・情熱が伝わってくる町であった。
明日は、カミさんの岩木山初挑戦の日。
どうか良いお天気で涼しいように。
オジロワシ歌壇
・二年ぶり逢いたる君と遠く見る光りつつ凪ぐ海峡の海
・朱塗りなる潮騒端に渚橋 共に渡れば忘潮光る
・勇壮な立佞武多には目をみはる明治の隆盛誇るじょっぱり
・掘割はいにしえよりの風渡る弘前公園肩ならべ行く