下北半島 ( 恐山、尻屋崎 )

 

下北  2018.7.26(木)  晴れ

 


 

尻屋崎

 

プロローグ

弘前から一路、下北半島へ。
今回の旅も、いよいよ最終章に突入だ。

青森、浅虫温泉、夏泊半島、野辺地、むつ市までは、訪れた経験があるのだが、それより北は初めての場所だ。

本州最北端の地、下北。マサカリ(斧)の形が何かを期待させる。

 

恐ろしげなのは、名前だけ?

まず向かったのは、恐山。
近づくにつれ、道路端のお地蔵さんたちが欠けることなく着物や防止を着せられ、独特の雰囲気に変わっていく。

直前の約2Kmは道路も極め付きに狭くなり、急な七曲り。恐いよ〜!

ド〜ンと、大きな寺院の建物が周りを圧倒している。
おどろおどろしい気配や雰囲気は全く無く、清々しく清められている。

恐山
恐山への入り口

 

恐山と言うと、イタコによる霊との会話とか風車が一人でカラカラ回っている風景を思い起こすのだが、実際はそんな光景何処にもなかった。

恐山は、硫化水素の温泉が湧き出す所。
寺院の敷地内に温泉施設があり、お参りする人は誰でも無料で入ることが出来る。(覗かれそうでちょっと勇気がいるが・・・)

賽の河原と呼ばれる所は、硫化水素で木々が育たない岩だらけの地に硫黄で黄色に染まったゴツゴツした岩が積み重なったり凹んだりした荒涼とした原。

賽の河原
賽の河原

 

そこに○○地獄、○○地獄との名が付けられている。
こんな光景の中で、イタコさんが霊と向き合っているのかと勝手に想像していたが、私達が行ったときには行われていなかった。
今は年に二回、期日を決めて行われているらしい。

 

明るく爽快な場所もある。

賽の河原を抜けると、開放的な湖が。宇曽利湖と言う。

宇曽利湖
宇曽利湖

 

湖畔には水子供養なのか、お地蔵様が幾つも祀られている。

お地蔵様
お地蔵様の立つ池には、蓮の花が咲いていた

 

お地蔵様
湖畔に立つ、水子供養のお地蔵様

 

宇曽利湖を挟んだ対岸の山の山頂には、航空自衛隊の巨大なレーダーが空を睨んでいる。
恐山に集っている霊たちは、お寺からも空からもしっかり守られているのであった。

 

これが北の海?

次いで、本州の最東北端である尻屋崎へ。

尻屋崎の入り口には、放牧されている寒立馬の脱走防止のゲートがある。
車は、自動感知機能で乗車したまま通過できるので、脱走は自由だ。

尻屋崎灯台へ通じる海岸線の道路沿いには、なでしこ・ツリガネニンジン・スカシユリ・ノコギリソウ・チシマフウロ・ツメクサ・カンゾウなどなどの草花がお花畑になっていてとても綺麗。

尻屋崎
尻屋崎の海岸線

 

尻屋崎沖は、津軽海峡と太平洋の潮の境目であるのと濃霧が出やすいところなので、海の難所。
江戸時代、日本海を通る西廻りで船は運行されていたそうだ。
それだけに、今でも尻屋崎灯台は大事な施設なのだ。

灯台
尻屋崎灯台

 

海を眺めていて思った。
海が沖縄を連想させるコバルトブルーとかエメラルドグリーンに近い色をしている。

尻屋崎
尻屋崎の海

 

真偽の程は分からないが、海底が白い砂とか岩でこのような明るい色に見えるのではと思った。

とにかく開放的なうえ、風も通り、清々しく気持ち良い。

 

尻屋崎
お地蔵様と海

お地蔵様が安置されていた。
遭難の供養なのだろうか。思わず手を合わせる。

尻屋崎
スカシユリ咲く海岸線

海岸の岩場にもスカシユリやベンケイソウが咲いていて、心休まる景観だ。

 

君たちは良いな〜!

尻屋崎の忘れてはならないものに、寒立馬がある。

南部系の馬で、寒さに強い系統の馬だそうだ。
ズングリした体型、太い足、まるで誰かに似ていると言われそうな馬たちなのだ。

寒立馬
一心に草を喰んでいる

自分たちで餌場を探し、移動しながら、食べては寝る生活らしい。

でも、彼らにもきっと悩みはあるし、苦労していることもあるんだろうな。

寒立馬
おとなしく、とにかく可愛い 寒立馬

彼らが食べた跡は、草刈り機で芝刈りしたようにキレイになっている。

寒立馬
移動しながら草を喰む寒立馬たち

 

貢献すれば、大きな果実!

尻屋崎からの帰路、東通村を通った。
寒村とは思えない、立派な建物が幾つも並び立っている。デザインも個性的だ。

その役場にあるレストランでヒラメの刺身定食をいただけるとの情報で、立ち寄ってみる。
御婦人の団体が先着されており、品切れになってしまって残念。

やっと分かった、下北半島は全国でも有数の原子力施設集中地帯。
東通り村原子力発電所、六ケ所村核再処理施設、大間原子力発電所。
核施設を受け入れれば、その見返りとして素晴らしい施設や雇用が確保される。

この村の人達は、それを決断し受け入れたのだろう。
誰かが受け入れなければ、成り立たないことがある。
反対・反対でも、恩恵は受けたい人。
賛成しても、自分の所は嫌だという人。
大都会のために作るのに、都会には作るなという人。
それなのに、賭博場は是非にと熱心だ。

このページは、これらの問題をどうこう論ずる場ではない。
だが、私は東通村の人たちの意思を尊重したい。

 

名物は、やっぱり!

東通村でランチにありつけなかったので、もう一つの情報を頼りにむつ市へ。

むつ市商工会議所のおねえさんに、お店を紹介してもらう。
「すぐ裏の坂を登った所・・・」  初めてなのだから全く分からない。
「車だったら5分・・・」  そうなのですか。
「消防署の坂・・・」  分かるかもしれない、どうもありがとう。

辿り着いたのは、名物「貝焼き」の有名店。
会議所のおねえさん、行けました。どうもありがとうございました。

貝焼きとは、ホタテの大きな貝殻にホタテ・イカ・海藻・ねぎ・豆腐などが盛られ、その上に味噌と卵の黄身を乗せ、グツグツ焼きながら頂く料理。
(写真でお見せできれば一目瞭然なのだが、かき混ぜ・かき混ぜ・とにかくかき混ぜて焼くという指示に、即かき混ぜてしまって写真を撮れなかった)

焦げ目が付くぐらいしっかり焼いて食べる貝焼きは、ご飯とも良く合いとても美味しかった。

 

この日の行動は、これで終了。
後はゆっくり温泉に浸かり、横浜という所で宿泊し、明日の最終日に備えた。

 

 

オジロワシ歌壇

 

・たてがみを風になびかせ寒立馬 芝刈るように群れて草食む

・候鳥の水辺をめざすそれに似てたどる道の駅 最後となれり

 

 

 

 

 

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