遍路5日目

(別格1番大山寺、別格20番大瀧寺、別格3番慈眼寺)

大山寺仁王

 

遍路5日目 
 2008.3.9(日)晴れ

0800 徳島市
0910〜0940 大山寺別格1番
1210〜1240 大瀧寺別格20番
1440〜1520 慈眼寺別格3番
1540〜1600 勝浦町ひな祭り
1730 徳島市
今日の歩行距離
12866歩
8.1km
総歩行距離
174922歩
109km

休足(息)日

今日は遍路旅に出てから初めての休息日。
昨日の35kmと言う頑張りというか無茶のせいで、二人とも太ももなどに張りがあり、階段の上り下りがぎこちない。
今日は足をゆっくり休ませて、明日からに備えよう。
そこで今日はレンタカーを借り、通常の遍路道から遠く離れているお寺を訪ねてみようと思い立った。
候補として別格1番大山寺、別格3番慈眼寺、別格20番大瀧寺、そして可能なら別格2番童学寺を計画した。

泊まった東横インは簡単なバイキングだが無料の朝食が付いている。(夜もカレーが無料だそうだが、昨夜は疲れて寝てしまった)
朝食を摂って、予約した近くのレンタカー会社へ。
借りたレンタカーは軽ながらナビも付いていて快適、今の車がダメになったら次は軽自動車でも良いかな?と思う位だ。

 

大山寺

8時過ぎに徳島を出発、まずは別格1番の大山寺へ。
初日に歩いた5番地蔵寺と6番安楽寺の間から山間部へ入って行く。
道はかなり狭く、日頃北海道の広い道路に慣れている私には緊張を強いられる。
歩けば5番地蔵寺から2時間近くかかる道を20分ほどで来てしまった、やはり車は速い。

山門に着くが道はお寺の駐車場まで続いているらしい、いくら車で来ても山門から入りたいので近くの広場に車を止めそこから歩く。
山門には力強い木製の仁王様がおられ、その先には急な階段の上に寺社の屋根が見えて、まことに良い風情である。

 

大山寺山門山門からの寺に通じる階段

 

山門の仁王様仁王様

階段を上りきるとこんな山の上にと思うほど立派な本堂、大師堂が建っていた。

大山寺大山寺本堂

このお寺は縁結びのお力が強いと聞いていたので、ある素敵な女性の幸せを心からお願いをした。
願いが通じ、叶えられると良いな!

結構遠い所にあるお寺なのにバスが何台も来ていて、大勢の人達がお参りしている。
急ぐ訳でもないので、散策を楽しみながら納経を待った。

立ち並ぶ石仏達お地蔵様達

 

Naviと雪に騙された、大瀧寺

大山寺から来た道を戻り、高速道路に乗って美馬市脇町にある別格20番の大瀧寺へ。
二日目にお参りした8番熊谷寺、9番法輪寺、10番切幡寺が望め、その時の様子を話しながら思いを新たにした。

古い町並みで有名な脇町を通り、Naviに従って走っていると「大瀧寺左」の標識が出ているのにNaviは直進の指示。
Naviに従って走るが出て来たのは香川県の看板、おかしいと思ったが土地勘がある訳でもなく指示に従って行くと、讃岐温泉から登るルートを選択しているようだ。
だがこの道、本当に通れるのかと思うほど狭くひどい道、軽でも1台がやっとだし、整備もされておらず、とても不安な時間を過ごさざるを得なかった。(慣れている方以外にはお進めできないルート)

そんな道でも小さな集落が2・3あり、暮らしている人達がおられる事に、驚くと同時にご苦労の程を偲ばずにはいられなかった。

稜線近くまで登ってから、大瀧寺の標識を見つけやれやれと安心したら、雪が出て来た。
車のタイヤは当然夏タイヤだが、アイスバーンにはなっていないので大丈夫だろうとノロノロ進んでいると人が手を振りながら降りて来て、この先は雪で行けないとバックしてくる車を誘導している。
仕方なく私も何とかUターンできる所まで500m位バックで戻る。
その人達は今回諦めると戻って行ったが、私達には何度もチャンスがある訳でもないのでそこから歩いて大瀧寺に向かった。
20分ほど雪道を歩くと山頂部で、その先少し下がった所に大瀧寺はあった。
そこには乾いた道路と何台かの車が、やはり脇町からの道路で登る事が出来たのだ。

大瀧寺への雪道大瀧寺への思わぬ雪道

大瀧寺は山の上のこじんまりしたお寺。
四国88カ所総奥の院と掲げてあったが、確か與田寺もそのような呼称で呼ばれていなかったかなと少々不思議な感覚を持った。

大瀧寺大瀧寺

苦労をしたが、なかなか訪れられないお寺にくる事が出来て嬉しく、ゆっくりお参りする。
納経所の女性よると、脇町からの道を勧めているとの事。
私達が車を止めた所からは大瀧寺に登ってこない限り、脇町へは降りられないと言う。

大瀧寺からの展望大瀧寺からの展望

あの超狭い曲がりくねった道を降りるのは嫌だが、さりとて登ってくるには雪道。
どうしようかと思ったが、雪道と言っても柔らかい圧雪で、そんなに滑りそうでもない。
北海道のドライバーがこんな雪で走れないなんて恥ずかしい、入念に道の斜度と滑りそうな地点をC'K。
イザとなったら、カミさんに運転させ押せば何とかなると車を発進させる。
一度グリップを失いそうになったが、何とか無事通過。
大瀧寺の前でお礼のお辞儀をして、脇町へ下った。

 

無知による大失敗をやらかした、慈眼寺

次は徳島県勝浦町にある別格3番の慈眼寺。
大瀧寺でNaviの誤指示で遠回りさせられたり、雪で歩いたりと予定外の時間を取ってしまったため、どうやら慈眼寺で今日は打ち止めとなりそうだ。
脇町まで下り、高速に乗って徳島市へ戻り20番札所鶴林寺方向へ、勝浦の町を通って慈眼寺へ向かった。

慈眼寺は岩山の山頂近くに建てられており、本堂の裏手に岩山の崖が迫り、いかにも厳しい修行の道場と言った風情である。
この岩山の山中に弘法大師が零示を受け発見したと言う鍾乳洞があり、そこでの穴禅譲と言う修行で有名、この日もバスが2台来ていて穴禅譲を行っている最中とか、体験するにはかなり待たなくてはならないと言われ残念だが諦める事にした。

慈眼寺と裏に迫る岩山慈眼寺

大師堂、不動明王堂とも解放されご本尊をしっかり拝見する事が出来る。
失礼のないようお参りしながら、じっくり拝見させて頂く。
美しいふすま絵もゆっくり見る事が出来、堪能した。

慈眼寺慈眼寺の十一面観音像

慈眼寺のすぐ近くにある潅頂の滝、岩山の頂上付近から細い一条の滝が100m以上の高さで落下している。
水量が少なく落下の途中で霧となり霧散していまうのが惜しい感じがした。

潅頂の滝慈眼寺の瀧

期待していた穴禅譲は体験できなかったけど、素晴らしかったと満足して帰路についた。
しかし、ホテルに帰ってお寺のパンフレットを見て驚いた。
慈眼寺の本堂は穴禅譲を行う鍾乳洞の入り口にあったのだ。
本堂はどこなのかと思ったのだが、大師堂の横にある不動明王堂がそれだと勝手に思い込んでいた。
納経所の方は「穴禅譲の方は道を登って行って下さい」と教えてくれたのだが・・・、返す返すも残念無念。
やはり、訪れるからにはきちんと調べておかないと失敗をするという見本のような事をしでかしてしまった。
マネージャー役としては失格ものだ。反省! ごめんなさい。

 

おひな祭りの里

帰路、勝浦町で巨大雛祭りを行っていたので、立寄り見物。
体育館のような場所に全国から送ってもらった不要のひな人形を一同に飾っているもので、ひな人形がこれでもかという位、陳列してあり圧巻であった。

 巨大ひな祭り巨大ひな祭り

やはり小さな女の子達は嬉しいらしく、歓声を上げながら走り回っていて可愛い。

 

不安解消

久しぶりの運転であったが、無事徳島へ帰りレンタカーを返納してホテルへ。
カミさんが太ももなどの筋肉がまだ痛いというので、冷湿布を買い足し貼りまくる。
臭いが凄いが、我慢するから明日には治っておくれ。

さらに今日までに二人ともお腹の調子が何時通りのすっきりした状態に戻れた。
よかった〜。

明日からまた元気にひたすら歩こう。

 

 

休息日、レンタカーで別格をまわる。
大山寺は縁結びのお寺。
「子供の結婚への道筋が良い方へ向かいますようお導き下さい」と2人で声を合わせて読経する。
お経も納め、ホッとして山門に立てば二体の深い味わいの仁王様。
古びた急な階段の両側には清々しい竹林が広がって、侘び寂びの世界。

それにしても車の有り難さ、しみじみ文明の力に感謝の一日でした。

 

お疲れか のぞきこむよな 落椿

 

 

 

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