漁岳(漁川本流) Part-2      2003.8.14(木) 曇り



漁川本流900m付近の大滝

この時期、天気さえ良ければ今年の目標の一つにしている「カールで夢を」を満たすべく、八ノ沢カールか七つ沼カールで一夜を過ごそうと準備していたのですが、8.9〜10にかけて北海道を襲った台風10号で日高・十勝地方が大被害を受け、復興もままならない状況。
とても被災されている方々を横目で見ながら山に遊びに行くなんて出来ず、諦めたのでした。

そこで先週、沢歩き初挑戦で用意したカミさんの地下足袋風安全靴が滑って危ないと途中で撤退してきた漁岳、再度チャレンジしようと2週続けて行くことにしました。


8.14(木)
千歳(自宅) 0710
奥漁橋 0820
林道出合 1020
漁岳頂上」 1235
漁岳頂上 1330
林道出合 1515
奥漁橋 1620
千歳(自宅) 1730
先週の教訓から、カミさんの足回りをフェルト靴に変えて再挑戦です。
奥漁橋で準備を整えいざ出発です、今日は虫よけ網も装備しています。

台風の影響がまだ残っているのでしょうか、先週より水量が多いようです。見た目で約5cm位、足を踏み入れると水の勢いが明らかに違って強く、膝くらいまで入ると踏ん張らなくてはよろける感じがするほどです。

カミさんがいやに慎重に歩いています。先週の滑る感じが残っていて滑るのではと恐る恐るですが、フェルトは滑らないと判るとがぜん元気が出てきたみたいです。

水や川床の美しさは先週と同じで、本当に気持ちが清々しくなる気分です。
先週、滑って泳いた所もなんなく通過、二度目だと落ち着いて状況を見ることが出来、通過可能なルートも複数判断できるようになってきます。


先週、滑って泳いた、深み

気持ち良い、滑

お天気は曇りですが時々晴れ間が出て、日の光を浴びた緑や水の色が美しく見とれてしまうほどです。
変わらなく見える緑も良く見ると、先週はまだ咲いていなかったミヤマダイモンジソウが沢山咲き始めていますし、先週盛りだったミソガワソウは終わりを迎えているようです。
そんな自然の微妙な変化を観察できるのも楽しく嬉しいものです。


ミヤマダイモンジソウ 

ミソガワソウ

しばらく行くと、前半の核心部が出てきました。
大きな倒木のある滝、今日は水量も多く一段と立派に見えます。前回は直登すべきか巻くかで迷いましたが、今回は迷わず巻いてクリアー。
次は美しい釜を持った滝、思わず渡っていきたくなるほど綺麗で魅力的ですが、深く、濡れ鼠になって泳がなければなりません。ここも右岸を巻いて行きました。


倒木の滝

思わず泳ぎたくなる、美しさ

奥漁橋から約2時間で林道出合、丁度先週と同じペースです。ですが何だか身体が重いというのか、怠いというのか体調が今一です。
二週連続ここで撤退というのも面白くなく、元気付けにおにぎりとエネルギー・ゼリーを食べて気合いを入れ直します。

ここからは初めての道、沢幅がだんだん狭くなってきて傾斜も急になってきました。沢全体の雰囲気も明るく開放的な感じからゴツゴツした険しく厳しい感じに変わってきます。
小さな滝の飛沫を浴びながら腕や手まで総動員して登っていきます。気持ち良いのですが、全身ずぶ濡れです。
石に日本ザリガニがしがみついていました。日本ザリガニなんて子供の頃に見た記憶しかありません。アメリカザリガニのような赤紫のどぎつい色ではなく薄いオレンジがかったベージュ色の優しい感じで、大きさも10cmは無いでしょうか。チョンチョンと突いてみると小さいながらもザリガニです、両方のハサミを振り上げて威嚇してきます。
ここにはこのような自然がまだまだ残っているのですね。大事に大切にしていきたいものだと感じます。


だんだん狭く、急に。

こんな滝をいくつも越えて。

なおも滝や瀬を越えて詰めていくと、水流が細くなり水が涸れてきました。
この辺から雲の中に入ったのでしょう、ガスが濃くなってきました。あわせて笹が被っている急坂になり陰気な暗い感じで気が滅入ります。それと体調がやはりおかしい。
とうとう薄暗いササの中でへたり込んでしまいました。
「ダイジョウブ? 荷物、持とうか」とカミさん       (見破られているのか・・・)
「何とかダイジョウブだよ、もう少しだから」        (俺の性格、承知のすけだろうに・・・)
「頑張り過ぎはダメよ。もう無理の利く年では無いでしょう」 (クソ〜!! 年より扱いしやがって・・・)

やっと、頂上です。残念ながらガスで周囲は何も見えません。
4月に雪の中、登ってきたことなどを話ながら、体力回復を願ってお昼ご飯をたらふく食べたのでした。
お盆時期に山や海で遊ぶのは、どうこう・・・と言われていたのを思い出し、漁岳山頂にある漁岳神社に安全祈願のお参りして下山です。


ガスで覆われた漁岳山頂

笹かぶりの湿った急坂はフェルト靴では滑りやすく、ササを利用しての滑落停止訓練です。
そして水流に戻ってからも、転げ落ちたら怪我では済まないと慎重に慎重に降りていきます。結局、登りと同じくらいの時間が必要でした。

林道出合にたどり着きました。ホッとして気が抜けてしまうようです。
ここからは林道の両側に咲く、リンドウやガクアジサイなどを楽しみながら奥漁橋へ降りていくだけです。


リンドウ

ガクアジサイ

漁川本流の沢登り2回目で漁岳山頂まで行くことが出来、沢歩きの美しさや難しさの一面を体験することが出来ました。
楽しく魅力的な反面、危険もあり判断の的確さが求められる登山方法だと感じました。これから経験豊富な人達とご一緒して、ノウハウを吸収していきたいと思いました。

この日は体調がイマイチでした。たしか2年ほど前、ホロホロ山に行ったときもそんな経験をしています。カミさんの言う通り、もう若くはないのですから無理は禁物。見栄や格好は気にせずマイペースで楽しむようしていこうと思いました。でも、その場になるとねー?

帰宅後、お風呂に入ってビールを一本、バタン・キューでした。
カミさんはと言えば、夕食の準備・洗濯・後片づけ、そしてTVまで見たと言います。

負けた〜!!

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