空沼岳 (1251m) (道央)   2007.10.28(日) 晴れ



2007.10.28(日)
登山口 0805
C780m沢 0930
万計沼 0950
1000
真すみ沼 1035
空沼岳山頂 1110
1210
万計沼 1300
1310
登山口 1415
空沼岳は札幌岳から漁岳へと延びる稜線上にある、展望も自然も豊かな人気の山。
シーズン中の土日は多くの人達で賑わっています。

私達も何度も訪れていて好きな山の一つです。
でもここ数年は湯ノ沢から沢登りで万計山荘へ、山のトイレを考える会のボランティア活動で万計山荘と途中までで、山頂には立っていませんでした。
晩秋で静かな山を楽しめるだろうと、久し振りで空沼岳を訪れてみることにしました。

朝8時前、登山口に着くとすでに車は満杯状態です。
この所、誰にも会うことも無い山ばかり行っていたので嬉しいような恥ずかしいような変な気分です。

準備を整え、橋を渡って樹林の中に延びる登山道を歩きはじめます。
空沼岳は別名「泥沼岳」と呼ばれるほど、ぬかるみで靴が汚れる事の多い山、足元はスパイク長靴です。


空沼岳登山口

道は深い樹林帯の中を緩やかに登って行きますが、概ね万計沢に沿って付けられています。
大きなカツラの木が秋独特の甘い綿菓子のような匂いを振りまいていて、立ち止まり思わず深呼吸。
紅葉はすでに終りの時期ですが、イタヤカエデが黄色に道を染めています。


イタヤカエデの黄葉の中を行く

しばらくすると万計沢の右岸に沿って登るようになり、少し上流で沢を渡ります。樹林帯、沢沿いと変化も豊富で飽きることもありません。


森や沢など変化の多い歩きを楽しむ

道は関係者の方達のお陰で大変良く整備され、道標も幾つもあり、容易に位置関係を把握することが出来ます。
万計沢左岸の少し急な道を行くと、流れ落ちる滝が現れ、これを過ぎればすぐに万計沼です。


豪快に流れ落ちる万計沢の滝

針葉樹の森に囲まれた、静寂な雰囲気の万計沼、何時見ても落ち着いた良い感じの沼です。
沼の辺には万計山荘が建ち、トイレを使うことが出来ます。
すでに何人もの人が、休憩していました。


静けさ漂う、万計沼

コーヒーとリンゴで一休みし、先に進みます。
平坦な道を30分も歩けば、真すみ沼です。
万計沼とは全く違う感じで、開放的で明るい真すみ沼、大分水が少なくなっていました。


真すみ沼

真すみ沼からはこれまでの土の道から一転した岩混じりの沢形の急斜面、一歩一歩ゆっくり確実の歩みを進めます。


石ころの急な斜面、回りの木々の葉はすでに落ちている

一頑張りすると平らな台地へ出ました。
これまで見えなかった空沼岳が山頂部をはじめて見せています。


姿を見せた空沼岳山頂部

平坦な台地からいったん下り、空沼岳と札幌岳を結ぶ稜線目掛けて登ると、縦走路の分岐点。
札幌岳への縦走路は笹が被り歩きづらかったのですが、この秋HYML(北海道の山メーリングリスト)の有志の皆さんが笹刈りを行ってくれたそうで感謝・感謝です。
数年は快適な縦走が楽しめるのではないでしょうか。

札幌岳との分岐を左に進みます。
稜線は所々視界が開け、札幌市や恵庭市など東側の景観を楽しむことが出来ます。


やや霞んでいるが、札幌の市街地を見る

分岐を過ぎれば、間も無く岩の露出した空沼岳山頂です。
すでに、10人近い人達が到着して休んでいました。
私達も岩の一角に腰を下ろし、景色を楽しみます。
お天気は良いのに、煙っていて霞んでいる景観も中々のものです。


霞のかかった羊蹄山

札幌岳との稜線の途中から派生している一番近くの狭薄山だけがハッキリ姿を見せていて、一昨年の春に雪を繋いで登ったことを思い出しました。


狭薄山

そして目を南に転じれば、恵庭岳、風不死岳、樽前山、支笏湖が墨絵のように霞みながら見えています。


恵庭岳、支笏湖を挟んで風不死岳・樽前山

東側には夕張岳などが微かにその姿を横たえているのが、判別できました。


雲の上に横たわる、夕張山地の山々

久し振りに空沼岳の山頂へ来たのだからと、少し南側に行って空沼(からぬま)を見てみようと覗きに行きました。
薄い踏み跡を辿ります、笹がかなり濃く被っていますがピンクテープが適当な間隔で付けられています。
10分程度で空沼が見下ろせる所へやって来ました。


見下ろす空沼と、支笏湖を取り囲む
恵庭岳、風不死岳、樽前山、紋別岳、イチャンコッペ山などの山々

冬に凍った空沼の上を渡って、空沼岳へ急斜面のラッセルに苦しみながら登った時の事が頭に浮かびました。

再び山頂へ戻り、しばし休んで景観を満喫しお腹を満たして下山です。
下山途中の稜線からは札幌岳が姿を見せていました。


札幌岳、奥は定山渓から手稲にかけての山々

この後は真すみ沼や万計沼の風情を楽しみつつ、往路を忠実に登山口へと戻ってきました。

久し振りの訪れた空沼岳は、深い森の中や沢の縁を歩き、風情の異なる二つの沼、壮快な稜線、展望に恵まれた山頂、山頂の奥にヒッソリと佇む小さな沼と多様な自然の姿で出迎えてくれました。
人気の山と言うのも頷けます、私達も大好きな山の一つです。

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