紋別岳(866m)

道央 2008.10.5(日) 晴れ


 

紋別岳

 

2008.10.5(日)
登山口 0815
4合目 0850
紋別岳山頂 0945〜1030
登山口 1120

紋別岳

紋別岳は支笏湖カルデラの外輪山の一つ、山頂にNTTの中継アンテナが何本も立っている支笏湖温泉近くの山でもある。
その無線施設保守のため山頂まで舗装道路が引かれ、これを利用すれば足元も軽装で手軽・気軽に楽しめる。

このため初心者や子供達など始めての登山の場や、自然観察会の場として相応しく、四季を通じて老若男女で賑わっている山でもある。

 

プロローグ

私は環境省の支笏湖パークボランティアとして仲間と共に支笏湖エリアを訪れる方々を案内しているおり、紋別岳には毎年春と秋に自然観察会と称してこれまで多くの人をお連れしている。

今春、四国歩き遍路の旅から帰ってから疲れが出たのか気が緩んだのか、カミさんが腰の不安を訴えて治療に明け暮れていた。
おまけにこの数年無かったのに、10日程前には心臓の発作に見舞われ苦しんだ。
幸い、心臓の方は一過性のものだったそうで、生活を制限する必要は無いと言うことで一安心。

家で手芸ばかりの生活が中心だったので、少し気分転換をしようと散歩気分で歩ける紋別岳を訪れてみた。

歌、一首

例年支笏湖周辺の紅葉は10月中旬からだがそろそろ気配位は感じられるかも知れないと思いつつ支笏湖へ向かう、支笏湖温泉近くの登山口には既に6台ほどの車が停まっていた。
カミさんにとっては本当に久しぶりの山、超スローペースでおしゃべりと秋色探しを楽しみながらしながら歩き出す。

秋色

まだまだ全体には緑色が主流だが、よく見れば黄色がかって来た葉、赤く色付いた実、枯れた風情もなかなかの草、秋の気配を感じさせる物が沢山ある。

ミソガワソウやアキノキリンソウ、ハハコグサ、エゾノコンギク、ヒメジョオンなどが遅めの花をまだつけている。



秋色蔦ウルシ

この時期一番色づいて眼を引くのは、ウルシの仲間。
奇麗だからと触る人も多く、注意したい紅葉でもある。
知らずに触ってからトイレにでも行こうものなら、支離(尻)滅裂になること請け合いだ。

のんびり歩きながら、秋色探し。
「ここを切り取れば・・・」 「この枯れた色と風情が・・・」
センボンヤリの穂がまさに大名行列の先陣を行く槍の穂を連想させる。


思いついた秋色の一首を・・・一首

 

秋色

山全体はまだまだ緑、遠目には夏の趣だが近くで良く見ると秋の気配があちこちに漂い始め、アカバナの葉が真っ赤に染まり、オヤマノリンドウの葉も黄色に変身している。

 

葉アカバナの紅葉

秋の雰囲気を感じつつ、自然の中をのんびり歩くのはやはり気持ち良い。
カミさんも気持ち良さそうに歩いている、調子もいいようだ。

4合目付近歩く

樹林の間から時折見える支笏湖や山々の姿が、気持ちを和ませてくれる。

リンドウリンドウの黄葉

紅葉と言うとカエデやナナカマドなど木々の紅葉が連想されると思うけど、草むらの中にも地味な紅葉があり、それを探し自分なりに秋色を切り取るのも楽しいと思う。

草むらの秋色リンドウ

 

良いな〜!

7合目付近からは樹林も少なくなり、展望が得られるようになる。
何と言っても主役は支笏湖だ。
支笏湖とそれを取り囲む山々の調和、何時見ても飽きることが無い。

支笏湖奇麗ね〜!

この日は苫小牧方面の海も良く見えていた。
「今頃サーフィンをやっているのかしら? もう寒いでしょうに・・・」次女のことを気にしているのだ。

恵庭岳が姿を見せ始めた。男性的なきりりとしたアルプス的な山容だ。
今年はまだ登ってないな〜。

恵庭岳恵庭岳

支笏湖温泉の町並みが秋色漂う山肌の麓に佇んでいる。

支笏湖温泉支笏湖温泉を見下ろして

札幌の市街地もしっかり見えている。さすがに大きな町並みである。
その町並みを西側に連なる手稲山から札幌岳、空沼岳、漁岳、恵庭岳へと続く山稜が引き立てているようだ。

 

食欲!

秋色を探し、歌を詠つつ、超スローペースで登って来た。
お陰で汗一つかかずに山頂へ着いた。
すでに何人もの人が休憩し景色を楽しみつつ、おやつやお弁当を楽しんでいる。
私達も仲間入りだ。

山頂で山頂にて

山の空気は美味しくそれだけで満腹になれば言うこと無いのが、それとは裏腹にいくらでもお腹に入って行く。
お稲荷さん、お漬け物、トマト、大福、コーヒー・・・、カミさんと顔を見合わせ「この食欲、困ったものだね〜」長嘆息。

山頂
支笏湖と樽前山、風不死岳、遠くはホロホロ山、徳舜瞥山


山頂の人達は支笏湖の景観、樽前山や風不死岳、恵庭岳などの話や、これまで訪れた山の話題で盛り上がっている。
初対面であっても、このように知らない人とも盛り上がれるのが山歩きの楽しみの一つでもある。

小1時間近くゆったりした時間を過ごし、下山することに。

 

ヤア〜ヤア〜!

とかく急ぎ気味になるカミさんにブレーキをかけながら、引き続き秋の気配を探し写真に収めながら下って行く。

紅葉楓も気の早いものは・・・

お昼を山頂でと思うのだろう、三々五々に何組もの人達が登って来てすれ違う。

見慣れた帽子を被った人達が20人位の人を連れて何か説明しながら歩いてくる。
パークボランティア仲間達だ。
「ヤア〜ヤア〜! どうしたの、今日は奥様専属のガイドかい?」
「今日は自然観察会だよ、一緒に来れば良かったしょや〜!」

「ゴメンゴメン。 今日は大事なカーチャン孝行!」
仲間ならではの軽口挨拶である。

黄色が冴えれば・・・紅葉

1時間弱で車で溢れ帰った登山口へ戻り、休暇村で昼から温泉を楽しみ家路に着いた。
ここの温泉は源泉掛け流しでは無いけれど、アルカリ性で暖まりツルツルになる温泉だ。

 

エピローグ

腰の不安を訴えて家に閉じこもりがちだったカミさんを連れ出しての山歩き、散歩程度のものだったがカミさんの体調も変わりなく気分転換にもなったようだ。
どうかなと言う思いもあっただけに正直ホッとした、整形外科のリハビリは大事だが時々連れ出すのも良い方法なのかも知れない。

カミさん曰く「久しぶりだったせいで、足の筋肉痛になる予感がするわ!」
お遍路で度々嗅がされた、湿布薬の匂いが甦って来た。

 

 

 

・紅深く 炎のごとき蔦うるし 他を寄せ付けず とど松登る。

 

・ひだまりの 葉陰に咲きし残り花 移ろう秋に 命をもやす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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