樽前山(1041m)花巡り (道央)  2005.6.25(土) 曇り



花々と樽前山東峰

樽前山と言うと王冠のような溶岩ドームを頭に乗せた姿を支笏湖に映す、特異な形をした活火山のイメージが強いと思います。

ですがそれとは別に、花の山と言う一面をも持っているのです。

初夏の半日、自宅から僅か30分の樽前山にカミさんと花達との出会いを楽しみに散歩気分で訪れてみました。

7合目ヒュッテに着くと管理人の菊池さんが忙しそうに続々と来る車を整理誘導しています。
久し振りの挨拶を交わして、まずは「樽前ガーデン」と勝手に付けた気持ち良い遊歩道を風不死岳分岐目指して歩き出します。

樹林帯の林床部にはマイズルソウ、紅花イチヤクソウが絨毯のように咲いていました。
ウラジロナナカマドの花も負けずに咲き誇っています。

樹林帯を抜けると支笏湖が眼前に広がり、何時来ても気持の良い御花畑です。


イソツツジ、ウコンウツギの向こうには支笏湖と紋別岳

一面にイソツツジが咲いていて、緑と白のコントラストが美しく気持が晴れ晴れしてきます。
ウコンウツギも負けずに上品な薄黄色い花を付けています。


花々に覆われた、風不死岳分岐への遊歩道

ウラジロタデやハナヒリノキ、クロマメノキ、これからが見頃のシラタマノキに混じって、マルバシモツケが薄いピンク色の花を咲かせていました。


マルバシモツケ

しかし今の時期、圧倒的に多く目出つのはイソツツジです。
全体としても美しいのですが、一つ一つの花も面白い形をしています。


イソツツジのアップ

平坦な道を花々を見ながらのんびり歩くと会話も弾むようです。
イワヒゲが付いた岩を見つけました。
ひげのような厳つい葉の部分と可憐な花が好対象でおかしな雰囲気を醸し出しています。


イワヒゲ

絶える事の無い花ロード、楓沢方面に下る谷も白い花々で埋め尽くされています。


樽前ガーデンと紋別岳

ほとんどが終わりかけているミネヤナギも、まだ奇麗に咲いているのもありました。


ミネヤナギ

道は平坦部分を終え、風不死岳分岐に向かって岩稜を緩やかに登り始めました。
岩場に張り付くように、イワヒゲやシラタマノキの姿が多くなってきました。


イワヒゲ

例年5月中旬が最盛期のコメバツガザクラ、さすがに大部分は花を終えていますが幾つかはまだ奇麗な花を見せてくれています。
コメバツガザクラは小さな花ですが、最盛期には全山が白く見えるほどで「塵も積もれば山となる」ではありませんが、その量たるや物凄いものなのでしょう。


コメバツガザクラ

そしてタルマイソウ(イワブクロ)の姿が目立ってきましたが、多くはまだ蕾です。
これから7月にかけてが見頃になるのではないでしょうか。
でも、すでに花をつけたオマセな花もありましたよ。


タルマイソウ

やがて風不死岳への分岐に着きました。
花を見ながらゆっくり歩いて、ここまで約1時間、チョッピリ休憩です。


風不死岳への分岐付近で

分岐からは道を樽前山西峰へと選び登って行くと、間も無く樽前山の代名詞でもある溶岩ドームが見えるようになってきます。


シソツツジの向こうに溶岩ドームが

周囲には相変らずイソツツジ、マルバシモツケが多いのですが、イワヒゲやガンコウラン、スゲなどが多くなり始め、ナガバツガザクラもちらほら姿を見せ始めました。


ナガバツガザクラ

まだ花はつけていませんが、ツガザクラも数多く見られました。

やがて樽前山西峰です。
ここから見る溶岩ドームは見るたびに姿を少しずつ変えているようです。
それだけ火山活動が激しいと言う事なのでしょう。
この日も「シュー・ゴォ〜」と言う音を立てて噴煙を吹き出していました。


西峰から溶岩ドーム、外輪山

ここからは気持の良い外輪山の稜線歩き、途中、樽前神社のお宮をお参りして東峰を経由して7合目ヒュッテに戻ってきました。

場所は憚られますが、かなり前に何方かが植え付けたと言うコマクサ、固有植物では無いと環境省なども問題視しているようですが、着実に数を増やしているようです。
この日も白花を含めてかなりの数を目にしました。


白花のコマクサ

環境的に学術的にどういう意味があるのか私には良くわかりませんが、鳥が運んできたと考えれば共存しても良いのではと思うのですが・・・。


増えているコマクサ

今回樽前山を訪れてみて、期待にたがわぬ花の多さと美しさに堪能しました。
この日も土曜日とあって多くの人達が訪れていました。
何時までも皆さんが楽しめるよう、花々を始め環境を大事にしたいものです。

ぜひ、ゴミが落ちていたら拾いましょう。
そして自分が使ったティッシュは自分で持ち帰りましょう。


この春、私達は山で野で林で多くの花達に出会いそのかわいらしさを愛でてきました。
このホームページで御紹介出来た花もあるのですが、出来なかったものの中から幾つかを御紹介したいと思います。


小さく可憐な青い花


蘭の仲間


シャクヤクの仲間


シャガの仲間


キンポウゲの仲間


キンポウゲの仲間


キンポウゲの仲間
2003年夏の樽前山へ

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